区民利用施設(地区会館や区民集会所)の管理人にヒアリングしていて、業務中の苦労について聞いたとき、とある後期高齢者の管理人がこう言った、

「女性のトイレの汚物入れのごみ片付けは、私のような世代は抵抗ありましたね・・・でも『これがなかったら私たち人類は生まれていないのだ』と思うようにしています」

その話を聞くまで、女子トイレの清掃は女性がやるものだろうと思っていたが、実際そうでないこと、もとは企業の勤め人だったであろう管理人さんが、そんなふうに自分を納得させていることにある種の感銘を受けました。

取材を終えて帰り際、彼が言うには

「生理用品の無料置き、というのは始まるのでしょうか」

「世間的には話題になっていますが、世田谷区ではその話は今のところ出ていません」

という会話をして、数日してから彼が危惧していることがなんとなくわかってきました。

 

私たち女性は、まず大抵の場合月経中で外出の用があるとき、出先で困らないようにナプキンを新しいものに交換して出かけます。もし出先に生理用ナプキンが無料置きしてあるとわかっている場合、(出先で交換しよう)という意図が働き、結果として事業ゴミが増えるのではないか・・・

その昔、グアム行きのフライトから降りた際、20代とおぼしき女性たちが

「機内のトイレから(ナプキンを)持ってきた。これで滞在中はもつわねー」

という会話をしている様子を目にしたことがある。無料ならもらっとこう(いくつでも)…という人は一定数いる。そのたびに他人に片付けさせるゴミも増える。

 

百歩譲ってトイレに生理用ナプキンを無料で置くとして、その代りに「使用済みナプキンはお持ち帰り下さい」としたらどうだろう?いまでも「おむつは持ち帰って」という掲示はあるし、ものすごく理不尽なことではない気がします。

 

もっとも、私は生理用ナプキン無償提供より、使用済みナプキンを処理してもらったほうが嬉しいですけどね。