「シャーロック・ホームズの冒険」が深夜から21時のゴールデン枠に移動してきて、改めて録画予約時間を設定し直すときに偶然見つけたのが中国版歴史ドラマ「上陽賦~運命の王妃」、チャン・ツィイー主演(WOWOWですが)。中国向け化粧品AUPRES企画をしていた時代を思い出します。チャン・ツィイー、「初恋の来た道」から始まって押しも押されぬ国際派女優になりましたね。“SAYURI”の芸者ヒロインが、日本人でなく彼女に取られたのは悔しかったが(所詮いまハリウッドで通用する邦人俳優は渡辺謙と桃井かおりしか居ないのだろう)、今や40代の、王妃役が似合う大女優になりました。
アイラインの描き方が勉強になります
美貌の王妃(といっても日本で言えば大名の正室)の周囲にはイケメンがいっぱい。政略結婚した夫も、元カレも、幼なじみである皇帝や優しい実兄も、隣国の粗野な王子もみんな彼女から目が離せない。そのモテぶりを嫌味に感じないのは、日本のヒロインと違って男性に甘えず、毅然とした態度で対等に話をしているからだろう。この時代の高貴な女性は実家の命運を背負っており、いかに権力者に嫁いで(親戚の娘を嫁がせて)男子を産むか、実家を盛り立てるかを競っている。旧姓を名乗るとは政治的な意味合いがあったのだと、庶民との違いを思い知ります。
メアリ・スチュアートをモデルにした海外ドラマ「クイーン・メアリー」もそうだったが、登場人物する女性の中でもっとも権力があるは皇后ではなく皇帝の母、というところも時代なのか、あるいは視聴者層向けにそうしているのでしょうか。
イギリスでキャサリン妃=ケイト・ミドルトン=ケンブリッジ公爵夫人 であるように、1人に対し漢字の名前が二つも三つも出てくるところが憶えられなくて最初は苦労しますが、ストーリーそのものは恋愛多め政治談議少なめでわかりやすいので、途中からでもついていける。かつて「ラスト・エンペラー」を観た世代の皆さま、中国ドラマに旬な美男美女を眺めに、参戦して下さい。
政略結婚の相手すらこのかっこよさ。ドラマですね。