会議の日以外は私服で通勤の夫が、「それを着て電車に乗ってはいかん」みたいなセーターを着て帰って来た。DINKS時代は記念日のたびにビームスなどでイタリア製のセーターを買ってあげたのに、そのローテーションの一環に、独身時代の衣装ケースから発掘されたヴィンテージものが投入されてしまったらしい。とにかく一度洗濯しようと裏返したら、ついていたタグは「伊勢丹」。デパートが自前ブランドで製品を出していた頃のものです(いつの時代だよ)。翌日妻は在宅勤務の合間に玉川高島屋に走りました。

マッキントッシュ・フィロソフィーで半額になっていたメンズのセーターを2枚購入、自分も冬のスーツは数年買っていないなーと思う(古い手持ちのお直しばっかり)。金融系のキャリア女性が好むセオリーは夏も冬も同じ形の紺とグレイばかりで、3着買ったら飽きてしまった。某経済新聞記者の同期が勧めるアルマーニは一着30万円くらいするらしいので試着する気も起きない。で、ちょっと見に行こうとマダムの殿堂・銀座マギーに直行いたしました。ここのド派手な原色スーツは、お堅いビジネスウーマンというより習い事の先生やアナウンサー、政治家仕様。替え上着だけでも何枚買ったことか。

しかし、玉川高島屋の銀座マギーは新宿と違い、ニットが主流でジャケットはほぼなかった。ニコタママダムは専業主婦が多く、同じ5万円を投じるならジャケットよりカシミアニットを選びに来るのでしょう。

夫のセーターで良いのが2枚も手に入ると、自分も替えジャケットくらい買いたくなってきた。コロナ禍、飲食業だけでなくアパレルも不況で困っているはず、買うなら今年だ。

そして帰宅して再びパソコンに向かい、ふと思った、もしかして…検索してみるとありました、銀座マギーの通販サイト。ジャケットも掲載されている。よく使っているブランドならサイズ感もわかるし、品質もわかっている。それにしても試着しないで1万円以上のジャケットを買うのは勇気が要る。

お問合せ窓口に「合わなかったら返品出来ますか?」と聞いてみた。電話に出たのはコールセンターっぽくない、マギーの店頭に居そうなおっとりした声の女性です。送料はこちら持ちだが、返品できるそうです。世の中チャットの時代だが、きれいな声で丁寧な応対をされると購買欲が増すのは気のせいだろうか?(続く)