一寸の虫にも五分の魂というが、長さ2,3ミリの揖保乃糸くらいの虫にはぽっちりとこげ茶の頭があり、眼が合った(ような気がした)。おまえたち、はるばるトルコから来たのかい?かなり元気だね。虫に喰われているマツタケは一本だけなので、丸ごと捨てようかと思ったが、842円、4本のうち1本を捨てるのは痛い。そして、キッチンにマツタケの箱があったので、家族は「今日はマツタケご飯だね」と楽しみにしているはず。

(私だけががまんすれば済むことだ)母は強し。

マツタケの切り口に流水をかけたら、つかまる手足もない虫たちはあっさり流れていく。一匹、二匹、三匹…ん?殺処分しないでこのまま流したら、排水溝のどこかで生き残って、トルコの蠅が大発生したりして?外国の虫を生きたまま開放するのは多少罪悪感が。

虫が流れたあとは単に多少スジ穴があるマツタケが残り、調理され何事もなく美味しいマツタケご飯になったのでした。

外国産のブロッコリーに虫がついていた経験はないが、マツタケは栽培でなく、自生するものを採るからこういうこともある。今後世界の農産物が幅広く輸出入されるようになると、野生のベリー類やキノコが入ってきて虫がついているリスクもあるでしょう。

 

食の安全=国(日本)産食材という先入観が強いが、今回ウィーンに行って思ったが、日本以上にオーガニックだ国(オーストリア)産だと食材に関する意識が高い。

ヨーロッパではリンゴが不揃いなのは当たり前なので、日本の果物がぴったり同じ大きさで虫食い1つないのがかえって気味が悪いという話も、昔イギリスで聞いた。

より安全で自然に近い食材が尊ばれ、それも世界規模で流通するようになると、虫がついていたときの処理とか、日本の子ども達は虫くい野菜(&ついている虫)も平気にならないといけないな。と感じました。

ウィーンのスパークリングワイン醸造所で。「材料は全て国産ですが、コルクだけが外国産で…」と悔しそうに説明する案内人。