世田谷線沿線の駅で上町=ボロ市と思い浮かぶ人はかなりの世田谷通である(いそだ基準)。

最近気づいたがこの辺りには古道具屋が多い。古着や解体民家から出たような家具、照明器具を扱うような店…アンティークショップや骨董店というよりは古道具屋。

 

今度借りる事務所用のアパートは郵便受けの容量が少ないので、置き型の郵便BOXでもないかと、そのうちの一軒に寄ってみた。お目当ての郵便BOXはなかったが、古着の中にエトロのプリントブラウスやクロエのJKがあったりして、バブル期なつかしい品揃えに見入ってしまいました。隣りでデニム姿の若い女性たちがブランドものの中古バッグを見ている横、古ぼけたチェストの上に1つだけビーズ・バッグがありました。

主にパーティ用に作られたビーズのバッグがわりと好きです。旅行にも1つは用意しており、ホテル内を使うことも多い夜の食事に持っていく。せっかくの旅先のディナー、旅行用まんまのレスポート・サックで行くのも興ざめではないですか。

昭和中期に流行したビーズバッグ、魚卵みたいに一面びっしりビーズなのはちょっとおばさんくさい。横長なのは和装用みたいに見える。出来ればビーズ刺繍が模様を描いたようになっており、前方後円型のが、1920-30年代のアールデコ風で好みです。

このバッグは50-60年代といったところでしょうか、アンティークバッグの価値を決める口金は単純な型押しだが(上物は銀やべっ甲で、本体が傷んでも口金だけで取引される)、銀色とブルーグレーで統一されていて上品。中のサテン地もしみひとつなく、小さなミラーが入っていたはずのポケットが時代を感じさせます。母が持っていたような昔のハンドバッグは、なぜか必ず四角い鏡が入っていましたね。別のアンティーク店で、この鏡用ポケットについて話していた時女性オーナーが「今ならPASMO入れられます」と言っていました。なるほど!

お値段を聞くとハンカチ一枚分。グッチやシャネルの中古バッグを扱う男性店主に、このビーズバッグはさほど価値がないのでしょう。

 

年に一度は親の付き合いで観劇に行くし、通常のバッグに入れて食事の時やお手洗いの時に手元に持つのによさそう。ハンカチ、ティッシュ、口紅、小銭入れ…スマホは無理だがガラケーなら入ります(いまだに2台持ち)。