図録で見て、いつか実物を見てみたいと思っていたロゼ色のオールド・バカラが思いがけず手に入りました。シロップのような赤のグラデーションが美しく、プレスガラスながらスタッズは手に痛いほど鋭角で、ずっしり重い。コットン入れともキャンディポットとも言われますが何を入れようかな。刻印は今と違いBACCARAT=ブロック体なので20世紀初頭でしょうか、それより古いと刻印も入っていないそうです(じゃあなんでバカラってわかるのか)。

 

以下半分私見ですが、今でこそバカラは“1つ1つ吹きガラスで作りマイスターが彫刻して、一ミリでも狂うと叩き壊す”というまで言う超高級品ですが、この時代はプレスガラスもあるし、グラス以外にこういうコットン入れや香水瓶やソープディッシュなど、今なら100均や無印に売っていそうなアイテムも作っていた。オールド・バカラはアンティーク市場で買っても、贈答品の王者となった現代のバカラ・グラスよりお値打ちで、日用品として使えるものが多いです。もっとも昔はガラス製品を日常で使うことそのものが裕福な暮らしだったのかもしれませんが…

 

食器と違いコットン入れや花瓶のよいところは、使っていないときも視界に入る場所に置いておけることです。コットンなんて今は紙箱から直接取り出せるようになっているが、おしゃれなガラス容器に入れたら使う時の気分が変わるかも。

NHK BSプレミアムでやっていたバカラの歴史の番組の録画を観ていたら

約100年前のカタログが映された。右のほうにありますねこの型。