野川の近くに位置する我が家、桜やカワセミ、ウシガエルの声。四季折々の景色の変化を楽しめる一方、河川工事の進捗もずっと見ています。今週は「野川河床整備に関する川づくり説明会」(主催:東京都第二建設事務所)に行ってきました。出席者は川の周辺在住者50名ほどでしょうか。

昨年9月から数えて三回目の説明会。前回のアンケートや質疑を盛り込んで次回の説明が行われるらしく、今回は河道内に生えている樹木の伐採と存置について特に時間をかけて説明されました。

神明橋近く、右岸に、川面にかぶさるように生えているオオシマザクラを残してほしいという声が多い様子。樹木医の診断では樹齢50年、残念ながら長く残すことは難しそうですが(折れて流失するとそれはそれでトラブルに)、クローンたる苗木の育成も始めているということです。

いそくみは、個人的には我が家の近くにあったヤマグワが切られてしまったのが残念。学校で養蚕をするときに役立つし、実は食料にもなる。

(花がきれいな)桜だから保存してほしい、というのは樹木差別だと思うよ・・・

 

自然災害対策などを念頭に治水工事をすれば自然=緑や魚、野鳥が減り、川の安全と自然保護はしばしば対立軸になります。

そして大人になってからこの地域に居住した人(マンション住人が多い)は自然保護を重視派が多い。住まいの周囲を取り巻く環境も価値の一つだからでしょうか。逆に親の代から住んでいる人は自然保護はある程度割り切っていて、関心事はゲリラ豪雨に耐える治水工事だったりします。野川はもともと昭和42年に今の場所に引かれてきた人工河川で、その前の時代を知っているかどうかでも意識は変わるでしょう。

 

この夏、軽井沢に滞在した時、ホテルのオーナーさんが「雲場の池が護岸工事してきれいになったんですよ」と嬉しそうだったが、観光客目線でみると土そのままの、前のほうが良かったなと思ったのと似ている。

自分は自然よりも災害対策優先派。地元の識者のいう「ゲリラ豪雨に備えて、河川の途中にため池を」という案、ぜひ東京都に前向きに検討頂きたいと思います。

護岸工事された雲場の池。