6,7月はバラ、ユリなど比較的ゴージャスな切り花が店頭に並びます。お花のもちのよさはなかなか判別が難しい。今回ははずれ、半開きの美しいピンクのバラが、2日後には首をうなだれてしまいました。こんなときは茎を深めに水切りしてみますが、最後の手段は、口の細い花瓶を使って花の頭だけ上に乗るくらいの長さに切る。7割はこれでしゃんとしますが、個人的には西太后伝説(皇帝の寵愛を受けた側室の手足を切って甕に漬けたというフィクション)を思い出してしまい、かわいそうな気も。
今回はうなだれたバラが4本もあったので、独身時代に下北沢の雑貨屋で買った試験管フラワーベースを思い出して、使ってみました。
これこれ。
15年ほど前でしょうか?コンクリート打ちっぱなしの部屋にイサム・ノグチのテーブルがあって、このタイプの花瓶に赤いガーベラ(または白いチューリップ)が1本ずつ。そんなインテリア写真がカーサ・ブルータスなどに掲載されていましたね。理系っぽいものが流行して、上記の部屋とはやや路線が違うけれど、昭和の開業医院によくあった白塗りの薬棚も、ディスプレイ棚として人気が出始めていた。いつか自分の家を持ったら欲しいと思っていたけれど、ディスプレイ棚を置くほど家の中が片付かずに今に至ります。
このフラワーベースを飾っていたら、息子が
「わー試験管だ。なんでうちにあるの?」
このフラワーベースを買った時はおひとりさまOL。これを飾って学校の理科室をなつかしみ、いつかコンクリート打ちっぱなしのマンション買うか、とも妄想した(女一人でマンションを買うのも流行っていた)。
その15年後に自分の息子から「試験管、いつ買ったの?」と言われるとは思わなかったよ。