連休中、家事と行政書士演習問題に明け暮れているのもつまらないので、混雑を承知で国立新美術館の“ミュシャ展”に行ってきました。

先日、多部未華子がナビゲーターのNHK海外ドキュメンタリーで、アール・ヌーヴォーのポスターで有名なミュシャが、50歳で故郷プラハに帰り、祖国史をテーマに「スラヴ叙事詩」など大作を描き、日本で初公開されるというので見たかったのです。

実際に行ってみると来場者の大半は同時開催の草間彌生展に流れ、ミュシャ展の方は混んではいるが、来場者のマナーがよいこともありそれほどストレスなく観られます。草間とセットのチケットを買ったのか、美術学生らしき来場者が混じっているのが意外。

感想の第一は・・・照明が暗い。絵画を守るためもあろうし、自分の眼も弱っているのでしょうが、せっかくの大作なのに教会堂の中で、修復前のすすけた絵をみているようなもどかしさ。デジタルカメラを通すと実際より明るく見えるので、そういう眼鏡が開発されるといいかも。

いそくみはミュシャのパリ時代の、舞台女優などを描いたポスターが大好きですが、ご本人は男性を描くのが好きだったようで、プラハに帰ってからの作品にはRIZAPばりの肉体美がたくさん出てきます。

1920年以降の小品は、背後の学生さんの言葉を借りれば「ジブリっぽい」。一般受けする美しいイラストから歴史絵図まで描く才能は、勝手なたとえで恐縮だがプラハの手塚治虫?

全体を通していちばん感動したのは、海岸で椅子に座ったまま死にゆく宗教指導者を描いた「ヤン・アーモス・コメンスキーのナールデンでの最後の日々」。シルエットでしかない人物が確実に臨終のときだとわかり、肌が泡立ちました。

とにかく絵が大きくてかなり下がって観ることになるので、これから行く方にはオペラグラスの持参をお勧めします。

ミュシャ展から一歩外に出ると草間ワールド。スタイリッシュな若者がたくさん来ています。(自分は森アーツでさんざん観た)