NPOの打合せで品川集合。三菱電機OBでもある理事の指定は、高輪プリンスホテルのラウンジカフェでした。お花見もできる、贅沢なティータイムとなりました。

昨年あたりから気づいていたが、お花見に来る年配マダムが、グレーがかった薄いピンクのストールをしている。あるいは薄いピンクのツィードジャケット。OLさんはスモーキーピンクのスプリングコートで、桜の下で待ち合わせをしている…と、やってきた男性も薄ピンクのネクタイ。

素材はシルクサテンのようなツヤのあるものではなく、ストールは麻混など半透明でマットなものが多く、一見して「桜に合わせているな」とわかるワードローブを取り入れています。日本人の色彩感覚ってすごいと思う。そういう商品を売るほうも、それを買うほうも。

しかし、今年はピンクが流行だから更に目につくのか、仕事の昼休みに目黒川の近くのカフェでランチをした時など、近くに座っているお花見マダムたちが揃って桜色を着ているのには食傷しました。

なんか選挙みたいでないかい。

 

だいたい、桜を見るのに、同じ色を身に着けて花見客が歩いていたら桜がかすむのでは?私は蓮舫代表の集会には白いジャケットを着ていかない。

昔読んだ曽野綾子(だったと思う)の短編。お見合いカップルが鎌倉にデートに行く。娘が帰って来て、あの男性は断ってという。その彼、あじさい寺の隅にあった掃除道具に紫のビニール手袋がかけてあるのを見て、「さすがあじさい寺、手袋の色まで合ってるね」と言ったので(こりゃダメだ)と思ったらしい…という話。

当時独身だったいそくみは(ビニ手の色に気づくだけましじゃないか)と感じたが、なるほど桜の下を、似合う似合わないにかかわらず薄ピンクを着て歩く花見客を見て、この話を思い出した。

 

1人がやると粋でも、みんながやると無粋になることもある。もっと(そうきたか!)と呻らせるセンスの着こなしに出逢えることを、残りの桜の期間に楽しみにしています。

ちょっと寒そうだが、桜の下でウェディングの写真撮影も。お幸せに。