さあ中学受験が終わったらハワイだよ!と5年ぶりの渡航を夢見て雅子妃状態だったいそくみ、肝心の息子はサッカーざんまい、3月に休みがとれるか~と動く様子のない夫を見て、人生次の新婚旅行でもないと海外はもう行けないんだな、と悟りました。妻が婚活に走る前に、一泊だけ“豪華な”伊東温泉企画が持ち上がった。夫が予約したホテルはその名も青山(せいざん)やまと、だそうな(偏差値イマイチの附属中みたいだ)

伊東のホテルのランクはわからないけれど、竹やぶに囲まれたなかなかの敷地に愛車AQUAで入っていくと、若いホテルマンが「磯田様ですね?」にこやかに出迎えてくれました。

まず目についたのは従業員の若さ。温泉街と言えば60超えの高齢者が働いている印象があるが、東京で採用するのか星のやメソッドなのか、新卒定期採用らしい仲居さんとホテルマンがうじゃうじゃいます。浴衣は、女性はたくさんの柄から選べるのが楽しい。

伊東にいくならハ・ ト・ヤ♪のウラハトヤが左のほうに。眼下には伊東市民病院のヘリポートが見え急病にも安心です。

 

純和風の部屋に入ると、息子が「落ち着かない」と部屋をぐるぐる回り始めました。最近ホテル宿泊すると言えば洋室なのでゴロゴロする場所はベッドの上。和室は畳に寝転んでいいんだよ・・・

布団を敷く人ですら細マッチョにおしゃれ眼鏡の若者。大浴場に行けば出入り口に抗菌スプレーと、各自脱いだ草履を識別するため「河津桜」「天城」と地名のついた木札で留めるようになっている。お風呂に行けば半露天風呂には蘭の花が浮かべられ、“湯に飛び込んできた虫さんをおすくい下さい”と網じゃくしが置かれている。

「ここでは虫ですら“さん”づけなんだね」

本格和風旅館のサービスに、感に堪えたように息子が言った。いや~ここまではママも初めて。8時半からはロビーで地元演奏家のサックス・リサイタルがあるそうで、聴きにいくかを確認して、夕食がサーブされました。幼いころ家族で泊まった伊東の旅館は、白髪のおばあちゃまの仲居さんが、着物でなく割烹着で配膳をしてくれ、孫のようにかわいがってくれたことを今でも憶えている。あれはあれですてきな思い出だ。

この日は家族3代幼児連れの宿泊客が多く、軽井沢のように外国人はいなかったが、東京五輪を前に進化しつづける日本のおもてなしはいったいどこまでいくのだろう?

(続く)

洋風・和風から選べる朝食(洋)。実質ブランチのボリュームでした。