診断士の一次試験を終えお盆が過ぎたところで、立て続けに成人病検診と脳MR検査を入れていました。脳は、“もの覚えが悪くなったのは更年期のせいとは限らない”という婦人科クリニックの見解に従い、なぜかそのクリニックにあるMRを予約したのです。脳を撮る人は珍しいのでしょう、最初骨盤部と印字されていた。
今回は、気にしすぎでしょう、全く異常ありませんよ…とはならない気がしていた。結果を聞きに行くと、既に机上のパソコンの画面にいそくみの頭部初ショットが表示され、左脳の中央に近いところに1センチほどの、丸い影が見える。
トップクラスの読影医は映ってないものまで見えるというが、シロウトでも一目でわかるではないか。
「読影医によれば、“脳梗塞の跡の疑い”ということです。一度専門医を受診したほうがよいね」
デスクの上には狛江市の脳外科のページが乗っている。
「それは先生のお知り合いのドクターですか?」
「いや、近いからどうかなと思って」
プリントの端に「お医者さんガイド」のロゴが…検索か。婦人科の先生は70代だと思うが、こういう時代になったのかな~

行きたい病院があればどこでも紹介状書きますよ、というので、いったん待合室に出て考える。地域のクリニックにかかって「やはり大病院で精密検査、治療を」となったら二度手間だから、一気に大きい病院に行くかなあ、東大か、慶應か。ナースに聞くと、読影医は慶應だという。
「じゃあ慶應病院にしようかな」
「うちの先生は東大ですけどね」
―かつて婚約指輪をカルティエにしようかティファニーか、と悩んだバブル世代が、東大病院か慶應病院かで悩む時代になりました。それ以前に、地元の神奈川県央では東大理Ⅲや慶應(医)は2年に1人くらいしか出なかったのに、西東京では町医者に偏差値75がゴロゴロいることに驚く。
間をとって?都心の公立病院宛の紹介状を書いてもらい、画像はCDに入れて持たされる。

塾に迎えに行った帰りに息子に話をしたら
「でも、そのノーコーソクが、勉強が頭に入らない原因とはまだわからないんじゃないの?」
と。理科が苦手のくせに正しい指摘だ。
「理系には興味がなかったが、母を脳梗塞で亡くして医師を志しました」(S.I.東大理Ⅲ)などと、この子にえらそうな合格体験記を書かせてはならない…と思いました。




食生活には人一倍気を遣ってきたのだが…(これは軽井沢のペンションで気に入った、地野菜サラダ)