専門学校の企業経営理論の講義で、講師が「産業クラスター」(あるエリアに、特定の分野の企業や機関が集積すること。Ex.シリコンバレー)の説明をするのに
「クラスターという言葉は聞き慣れないと思いますが、もとの意味はぶどうの房、です」
クラスター?聞いたことあるある・・・アンティーク・ジュエリーの世界では、小粒の石(たいていダイヤ)を面的に並べて形にしている指輪を「クラスター・リング」と言います。これみたいに。
当選したら自分へのごほうびでどーんとブランド時計でも買おうか。バブル世代なので自分へのごほうび大好きだが、幸か不幸かそのような散財の心配はなくなり、選挙の収支報告を終え、国会秘書の仕事が決まったところでささやかにこの指輪を買いました。(やっぱり買ってるじゃん)
行きつけの地元のアンティークショップで、春頃からガラスケースに入っていた指輪。1920年代の北欧のものだそうで、明るく透きとおったエメラルドをダイヤのクラスターが囲んでいる。同じ年代の他の指輪持ってるしな~、伯母に貰ったエメラルドの指輪あるしな~と、半年横目に見ていたが、売れずにいるのもご縁かと思って、この秋お迎えに行きました。
アール・デコ時代の指輪は華奢でフラットに出来ているので(おそらく、手袋をしていたから?)、つけやすい。昔は色石と言えばルビーでもエメラルドでも濃い色が価値ありとされていた、実際そうなのだが、白熱電球が淘汰され蛍光灯やLEDの照明になってくると色石、特にルビーは黒ずんで見えるので、これからは色が薄い石のほうが”買い”かもしれません。
フェミニストの方々に怒られそうだが、アンティークや美術品など1点物を扱う業界ではしばしば「ご縁がある」「お嫁に行く」(=売れる)という言い方をする。うちにお嫁に来て、今は一緒に小田急線に揺られ国会の赤じゅうたんを歩き、専門学校の講義も聴くが、100年近く前の北欧でどんな暮らしをしていたのか、聞いてみたい気もします。