少し時間が出来たなら、映画観られるわね」海外在住の友人からそんな言葉をもらって気づき、昨夏観たいと思った「ブルー・ジャスミン」を借りてきました。監督 ウディ・アレン。主演は好きなケイト・ブランシェット。


(以下多少ネタバレです)

NYのセレブ生活から転落した姉ジャスミンが故郷サンフランシスコで庶民的に暮らす妹の家に転がり込む。妹は歓迎するが、姉は過去の栄光が捨てられず、妹のチンピラ風彼氏とは折が合わない・・・そう、「欲望と言う名の電車」をアレンジしたストーリーです。

映画にはいろいろな要素があって、これを観て、夫の浮気疑惑の悩みを重ねる人もいるでしょう。精神疾患、恋人のDV、上司のセクハラ、うまくいかない婚活に共感する人もいるかもしれない。

いそくみは、ジャスミンが「ちゃんとした仕事に就くには資格とらないと~」と行動を起こすところに共鳴しましたね(これがうまくいかないんだ)。インテリア・コーディネーターの資格と取るためにまずはパソコン講習・・・に苦戦しているところでパーティでイイ男と出会い、既に資格を持ちキャリアウーマンであるかのような虚構の自分を作っていってしまう。

いそくみだとさしずめ

紳士「ところで、磯田さんお仕事は?」

いそ「実は私、中小企業診断士ですの」

紳士「なるほど!どうりで金型成型に詳しいわけだ」・・・ないな。

海外では、日本以上に仕事上のタイトル(occupation or profession)が大事。いそくみも三菱電機時代は、欧米のみならず中国でもすぐ聞かれました。パソコンも使えない資産家夫人から資格取得を目指すのは見ていて無理があるが、年齢的には自分もこんなもんかなあ。

この映画は、ジャスミンが身に着ける高級ブランドのワードローブも話題になりました。飛行機から降りたつシーンから中間の歯科受付バイトの場面、ラストまでたびたび登場するシャネルの白のニットジャケットが、「フランス人は10着しか服を持たない」生活の典型か。部屋着のTシャツからパーティ服まで、高いものでないけれどTPOに合わせ服を変える妹のほうがはつらつと見えるのは日本の庶民の感性でしょうか。

とにかく同世代主婦のジャスミンがイタい。夢を実現させたい人なら、この後「ビリギャル」でも観て調整すべきかもしれません。

TSUTAYAではなぜか「洋画コメディ」の棚に入っているので、ご注意を。笑えない。