遠近マジックですごい大きさに見えるが、同じ大きさの粒です。
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通信事業の営業に走り回っていた30代前半、丸の内は新東京ビルの高島真珠のウィンドウで一目ぼれして、珍しく衝動買いしたネックレス。当時ダイヤを中心に大流行したステーションタイプのネックレスで、バロック真珠(真円でない)を18金のパイプでとびとびにつないで、3万5千円。
(35000円を即決できる収入の時代もあった・・・)
着けていたら同じフロアの年上の女性に見つけられ
「あら新しいネックレス、すてきね・・・おいくら?」
「高島真珠で、サンゴー」
と言ったら、相手は35万円だと思ったんだって。ゆがんでいる分粒が大きいし見栄えがしたのでしょう。真円の正統派パールネックレスよりすき間があるので仕事着にも着けやすく、真夏以外はフル活用。不揃いの真珠ネックレスは、正面に近い方に良い珠が配分されているものですが、山手線でいえば東京、有楽町あたりが正面として、新宿、代々木付近の珠がいくつか擦れて白くなってきました。
これは思い切って駅の新築。先日珠の交換をお願いしにお店に持っていったら、一か月ほどして
「色、形、大きさともぴったりの珠がやっとありました!3つ交換しておきましょう」
(ちょっと待って~)「あの、1粒いくらですか?総費用は?」「一粒1000円で・・・・」
(それなら出せる)「お願いします。お金は振り込みますので、出来上がったら送っていただけますか?」
「わかりました!」
で、振込先のお知らせを待っていたら、いきなり仕上がったネックレスが請求書とともに到着。
ネット注文などで先払いが当たり前の昨今、この順番は新鮮でした。
殿様商売とは言わないし、性善説商売?
「先祖代々受け継ぐ真珠はない」と言われる、デリケートの真珠のネックレス。糸替えなどの手入れをし、長さや留め金を変えながら女性の一生分は使えるところが、“歯”のような気がすると言ったら例えが悪いでしょうか。