誕生日が週末に当たったものの、父子はサッカーで忙しい。日曜日は美容院に行ったあとぶらりと新宿デパート探訪へ。デパートカードでお誕生日の買物してよいと、夫の許可をもらってあります。デパートカードというのはいずれも夫の名義で、専業主婦が夫の資産と社会的信用で買い物できる仕組みになっている。

まず小田急デパート。仕事にも、休日にも使えるニットジャケットを探していたのですが、ニットジャケットの最高峰といえばシャネル。冷やかしにでも立ち寄ってみます。

店内には意外にも、シャネルバッグを持った母娘、女友達連れなど若い世代もおられます。3回目の年女ともなると、シャネルブティックで浮くことはない。(ましてや今日は定価19000円のフランス製ブラジャーをしているのさ)


ジャケットを4つ試着したが、年配向けなのかずどーんとウェストのないデザインが主流。1つだけ、ウェストがくびれたシンプルな黒い襟なしジャケットが気に入りました。さすがにきれいなシルエット・・・掃除に入って奥様のドレスをこっそり着てみた女中の気分です(配役はエマニュエル・ベアール)

「こちらでしたら、お仕事でお召しになってもボタンのロゴも目立たないし、夜にパーティがあるときは中をキラキラしたブラウスに着替えてもすてきです」

店員はエグゼクティヴなキャリアウーマン向けの説明をしてくれる。夜に政治団体のパーティがあることはあるが、そういう日に限って仕事の切り上げが悪くブラウス着替えるヒマなどない。

「こちらお値段は?」「47万円、税込みで50万7千円ほどでございます」

ごじゅうまんななせんえん・・・時計が、いや中古車が買える。

そしてチラシ配布なら1回で消える金額だ。



十分楽しんで、現実的なお買物をしようと次は伊勢丹へ。キャリアファッションのフロアで、スプリングコートを探す。グレースケリーが着るようなクラシックなブルーのをみつけました。

「今日はおひとりでお買物ですか?」

「誕生日なので、主人が何か買ってきてよいと言うので」

「まあ、優しいご主人様ですね」・・・どうせならシャネルで言うんだった。気分は富豪の夫に顧みられない不幸な人妻。(配役はカトリーヌ・ドヌーヴ)

サッカーの試合、勝ってるかなあ。ひとりの誕生日は寂しいが、夫がサッカー親当番をやってくれ、自由な誕生日の1日をくれたのだから確かに優しい家族かもしれない。


ブルーのコートを買って帰り家族の前で着てみせると

夫「いまいちだな!いかにもレインコートだ」

息子「外側に大きなストールするとよいね」

厳しいダメ出しが待っていたのでした。(プロジェクト・ランウェイか)






4年前の誕生日プレゼントのスカーフがちょうど合った