♪やめなはれ、やめなはれ、電車で化粧はやめなはれ
いそくみが必死でメイクしている傍らで、朝食がてら息子が見ているEテレが歌っています。なんかこの番組、サラリーマン向けの内容が多い。
道にタバコの吸い殻、犬の糞を放置する人は減ったが、電車で化粧する若い女性はいまだ存在します。
昨日は小田急線女性専用車両の中で、立って化粧しているOLさんを見た。
あれでアイメイクしているときに電車が揺れて、隣りの人がぶつかって眼に重篤な怪我をしたら、ぶつかった人は加害者になるのかな・・・この歳になると保身ネタが真っ先に頭をよぎります。
かつて電車の中でみたもっともすごいメイクは、茶髪の女性のアイメイク。彼女はビューラーを手に、もう片手でバッグから出した100円ライターに着火(!)
ビューラーを火であぶった。それからカール。ホットカーラーなのね?
(電車の中で火を使っていいんだ・・・)
だめと言われたことはないような気がするし、頭の中が真っ白になりました。
ちょうど盛りメイクが流行りだし、マスカラが重視されはじめた頃でした。
***そしてもっとも印象的な”失敗”はもっと前。
昼の小田急線に座っていたその女性は、レブロン(昔のでかいやつ)のパールピンクのネイルカラーを取り出し、よせばいいのに膝の上で塗り始めた。
案の定、ほどなくビンは転覆、パールピンクの粘液が派手に彼女のスカートを染め、下にしたたり落ちたのです。両側に被害がなかったのが不幸中の幸いか。
(ああ~言わんこっちゃない)
その時電車の中にいたほぼ全員がそう思った。
レブロン娘は焦ってテッシュを取り出そうとしたが、爪も塗り立てだからうまくいかない。その時・・・
隣りの席にいた三十くらいの、桐島かれん似の近寄りがたい感じの美女が、だまったまま自分のバッグから美しいブランドハンカチ(1500円相当)を取り出し、彼女の膝をぬぐい始めたのです。
「ああ~すみません。いいですいいです、ハンカチがだめになっちゃう・・・」
恐縮しまくるレブロン娘に、薄く微笑んで首を振り(←眼は笑ってなかった気がする)、桐島かれんはやはりひと言も発せず作業を続けたのでした。
いそくみは
(こわい女性だなあ~)(あんな奥さんだったら、だんなは浮気できないな)
と思ったものでした。
あのレブロン娘は二度と、電車の中で化粧をする気にならないでしょう。
「やめなさい」というより雄弁な、注意の仕方もある。