新しい職場で、先輩女性スタッフに真っ先に言われたのは
「いそださんて姿勢がよいのね。ダンスか何かやっているの?」
・・・何もやってはいないけど、姿勢がよいことはよく褒められます。
日本の礼法の伝統では、正しい姿勢を身につけることを「胴づくり」と言う。
ファッション・アドバイザー ティム・ガンは、混雑したレストランのテーブルとテーブルの間をすり抜けるイメージでお腹を引っ込める「ビストロ・ポジション」を提唱しています。洋の東西を問わず、良い姿勢を身に着けることは重視されているようです。
しかしそんな多くのノウハウに勝る昭和の鍛え方がありました。
竹の物差しを背中に入れる。
あるいは姿勢が悪ければ物差しで頭や肩を叩く。
私の母は、私たち姉弟に対しても、子育ての手が離れてから自宅でやっていた学習塾の生徒に対しても、1mの竹の物差しを駆使して姿勢その他指導していました。
今だったら問題になりそうだが、朝ドラ「カーネーション」でも、ヒロイン糸子が竹の物差しで子供たちを追い回す場面があるから、昭和の時代には子供のしつけの飛び道具として一般化していたものでしょう。
勉強中に物差しを背中から入れられキャーと首を縮めると
「竹だからまだいい!私が子供の頃は先生はガラスの定規を使っていて、背中に入れられるとそりゃあ冷たかったんだから!」
と母に言われ、なるほどと思ったが、今考えれば”竹はガラスより優しい”のかどうかよくわからない・・・
そしていそくみは特別な訓練をするでもなく、会議室でお弁当を食べていても、街頭に立っていても見栄えのする(?)姿勢を身に着けることができたのです。
だから幼少時に鍛えてくれた母に感謝・・・したいところですが、いまだ母には姿勢をほめてもらったことはありません。