MOTHER | わたしと本と映画と

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仕事もせずに、ギャンブル好きで行きずりの男達とその場凌ぎの生活を送っている自堕落な秋子。
十歳の息子の周平を自分の奴隷の様に扱い、両親や親戚に金の無心にまで行かせる。周平を民生委員の保護下に置けば、秋子自身ももっと自由になれるだろうし、周平も安定した生活を送れる。それなのに秋子はそれを拒み、周平を手放す事を拒否する。

それは愛なのか?依存なのか?或いはただ自分の所有物として側に置いていたいだけなのかー
「自分の子供を自分の好きにして何が悪い」
秋子はただ周平を自分の都合の様に利用しているだけの様に感じるのだけれど、周平を愛しているのだと感じる瞬間も確かにある。十歳にもなれば数日放置していても生きていけるけれど、秋子が生まれたばかりの周平にミルクを与え、オムツを替えて"育てた"事を考えると、ほんの少しでも愛情はあったのだと信じたい。
周平もまた、十七歳になると自由になりたいと願いながらもそれでも秋子の側を離れる事が出来ない。十歳の頃ならば母親が世界の全てだから母親の言う事が絶対的で、秋子に全てを支配されている関係性だったのだけれど、十七歳になった周平はまるで父親の様に秋子の事を守っている様に見えた。

「お母さんを好きじゃダメですか」
お母さんの為ならなんでもする。ビールダッシュ、お金の無心、妹のお世話ーそうして周平は秋子の事を守り続けていたのだ。そして、これからもー