昔の記事に書いてますが、

結局血糖値は、、


①肝臓が糖をどれくらい放出するか
②脂肪や筋肉がどのくらい糖を取り込むか
③食事から流れ込んできたブドウ糖の量

によって決定されます。(古い記事はこちら




肝臓からの糖の放出あるいは末梢での糖の取り込みの調節は、


A. インスリン
B. インスリン拮抗ホルモン(=血糖値を上げるホルモン)


によって調整されています。

「インスリン拮抗ホルモン」の過去の記事はこちら



インスリン拮抗ホルモンのなかで特に重要なのは

グルカゴンとアドレナリン(カテコラミン)、コルチゾルです。

コルチゾルはゆったりとしたリズムで動くので低血糖のときに重要なのは、

グルカゴンとアドレナリンです。



つまり、低血糖は、


A. インスリンが多すぎる
B. インスリン拮抗ホルモンが足りない


ときにおこります。




ところで、、

低血糖のときのツライ症状:

動機、目のかすみ、冷汗、手の振るえ…などなど

はどうして起こるか知ってますか?



これらの低血糖症状は血糖値が下がっていくのに対抗するために
体がアドレナリンなどのホルモンをたくさん分泌するためにおこります


つまり、

低血糖症状は血糖値を上げるために分泌された

ホルモンにより起こる体の変化です。



一方、低血糖症状にはもうひとつあります。

それは脳へのブドウ糖が不足しているために起こる症状です。

(これは長い期間、糖尿病を患っている方で多い症状です。)



脳へのブドウ糖が不足するために起こる症状:

(詳しくは後日更新します!)

1.身体能力の変化:

 バランス感覚の低下→階段でふらつく。

 巧緻作業能力の低下→小さなものを取ろうとして落とす。など。

2.作業能力の低下:

 集中力や暗算能力の低下。

 キーボード入力にミスタイプが増える。

 書類を規定外の場所に間違って置く。など。

3.感情の変化:

 ネガティブな感情:

  なんかイライラする。汚い言葉を使ってしまう。家族と衝突する。

 開放的な気分:

  何事にも強気な気分になる。万能感を感じる。人に甘えたくなる。など。




低血糖症状は大変ツライですが、

早く気づくように訓練することで、

本格的にツラくなる前に対処できる重要なきっかけになります。




そのためには、

低血糖が起こりやすい状況を知っておくことも重要です。



低血糖が起こりやすい状況を知っておけば、
あらかじめブドウ糖を持ち歩いておく、血糖値を測る準備をしておく、
などの対策ができます。


低血糖がおきやすいとされる状況をご紹介します。



A. インスリンが多くなりすぎるパターン


1.薬が多すぎる

 ①それぞれインスリンで低血糖になりやすいタイミング

  超速効型インスリン →注射後2-4時間

  速効型インスリン  →注射後4-6時間

  時効型インスリン  →夜中2-3時、おやつの時間


 ②SU薬の場合

  おやつの時間、食後3-4時間、夜中2-3時



2.インスリンの効きがよくなる

 ①有酸素運動中あるいは後

  簡単なウォーキングや仕事の軽作業

  運動のときにどれくらいインスリンが効きやすくなるかの

  記事はこちら

  *激しめの運動はアドレナリンが分泌され、

    逆に血糖値があがることもあります。


 ②入浴後など血流がよくなる状況

  インスリン注射の吸収が早くなったり、

  インスリン自体の効きがよくなります。




B. インスリン拮抗ホルモンが足りなくなるパターン


1.低血糖があった翌日(これ大事!!)

 24時間以内に血糖値70以下の低血糖があると、

 アドレナリンが使い果たされて枯渇しています。

 血糖値を上げる力が下がっているので、低血糖になりやすくなります。

 低血糖の翌日はなるべくブドウ糖を持ち歩きましょう!

 *Cox先生は難しい1型糖尿病の患者さんでは普段の2倍というデータをだしています。



2.飲酒後の夜間・翌朝
 お酒はアドレナリンなど血糖値をあげるホルモンの分泌を鈍らせます。
 飲んだ夜や翌日午前中は血糖値が下がりやすいポイントです。
 (おつまみの種類によっては翌日の血糖値は上がりやすくなります)


3.アレルギーの薬
 古いタイプの抗ヒスタミン薬はアドレナリン分泌を強く抑制します。
 1日1回あるいは2回のタイプはそれほど低血糖にはなりにくいですが、
 やはり注意しましょう。


3. 歴史の長い難しい糖尿病の患者さん
 血糖値をあげるグルカゴンというホルモンは、

 β細胞のすぐ隣のα細胞で作られています。
 β細胞が少なくなると、α細胞も徐々に減ってきます。
 結果、難しい糖尿病の方では血糖値を上げる力が弱まっていて

 低血糖が多くなってしまいがちです。

 *「劇症1型糖尿病」(ゲキイチというらしい)はめちゃくちゃ難しいです。



以上、低血糖になりやすい環境です。

次は「低血糖への適切な対応」です!




番外編. 血糖値があがりやすい状況


1.ストレス

 アドレナリンやコルチゾルなどの

 ストレスホルモン(=インスリン拮抗ホルモン)の分泌が増えます。



2.カフェイン摂取(1杯くらいは平気です)

 アドレナリンが出やすくなり、血糖値を上げやすい環境になります。

 (これをエフェドリン様作用といいます)

 


3.女性の生理前(排卵のあたり)

 インスリンの効きが悪くなります(=インスリン抵抗性が増大します)。

 妊娠糖尿病と同じ原理です。

 *程度はかなり個人差があります。



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