男子100メートル。

直前で9秒77の世界記録を出したアサファ=パウエルが参加辞退してしまった。

五輪王者ジャスティン=ガトリンが全米で100と200の二冠を制し、風格を増したところでの「真の王者決定戦」を楽しみにしていただけに、残念でならない。


辞退と言えば、日本期待の末続も100を回避して200一本に絞るという苦汁の決断を、本当に最近した。ハンマー投げ五輪金メダリストの室伏も、五輪後の休養による調整不足が原因で参加を取りやめた。

そうなると、いや、そうでなくても期待が高まるのは100メートルのベテラン朝原“後半に失速しないニュータイプの日本人”がアトランタであと僅かの差(5位)で決勝行きを逃してから、もう10年ぐらいたつ。彼も30をとっくに超している。

怪我に苦しみ、以前のように走り幅跳びをやることはなくなった。10秒02の自己ベストを塗り替えるのも容易ではない。

しかし大きな大会は記録より勝負である。少しでも組分けに恵まれて、準決勝まで3回は彼の走りを見ていたいと思う。もちろん決勝の期待もあるが、アテネでは2次予選落ちの苦をなめている分、まずはセミファイナル進出を期待する。予選は今日の夜。