中東事業不調。ロスチャイルド。 | イスラム経済Now!

中東事業不調。ロスチャイルド。

世界的な金融機関NMロスチャイルド&サンズが中東事業の人員を半
減させた事が明らかとなった。

野心に燃えて中東事業拡大に動いたロスチャイルドであるが、今回の
件で、中東事業が苦戦している事が浮き彫りになったかたちとなってい
る。

実際、今年第1四半期の中東事業手数料収入は前年比8%減9090万
ドルとなり、2005年第2四半期以来の低水準となっ
ている。

今回の人員削減の動きについて、現地メディアではロスチャイルドの
ような純粋な金融アドバイザリー会社にとっては、ドバイ危機以降、企
業のM&A案件などが激減した中東で2桁以上の人員を抱えるのは
現実的ではなかったとの意見が出ている。

その言葉通り、ロスチャイルドは過去1年間に中東事業人員を17人
8人に削減している。

ロスチャイルドは中東事業トップのHerve Sawko氏をパリに異動させ、
代わりにM&A部門のトップ、Chris Hawkey氏を中東事業トップに据え
るようだ。

今年3月には中東担当バンカーのKhodor Matter氏がシンガポール政
府系投資ファンド、テマセクに転じる動きも見られた。

ロスチャイルドの中東事業広報担当は、今回の動きについて以下のよ
うなコメントを発表している。

当社は引き続き中東事業を強力に推進していく計画に変わりはあり
せん。」

ロスチャイルドといえば陰謀論系の本には必ず登場する世界的な金融
関であり、その情報網の広さは良く知られている。

しかし、中東でのオフィス開設は、ドバイブームに沸く2006年(ドバイ国
際金融センター)と遅い

今後、ロスチャイルドの当初の狙い通り、中東の財閥系企業を上場させる
事で、中東事業の挽回を図っていけるのか

少しだけ注目していこうと思う。