ぼくは未だかつて南半球を訪れたことがない。今まで行った中でいちばん南なのがキューバ?いや、シンガポールの方が南か?とにかく赤道を越えたことがないのだ。
世界にはいろんな美味しい料理があるけれど、個人的にいちばん美味しいと思う、と言うか、いちばん性に合うと思うのがギリシャ料理かな。
と言うわけで、銀座にあるシドニーのギリシャ料理店『The Apollo Ginza』で遅めのランチをしてきた。
で、なんでシドニーでギリシャ料理かって?
シドニーではないのだけれど、シドニーからさほど遠くないメルボルンは人口の半分近くがギリシャ系で、ギリシャ国外では最大のグリックタウンなのだ。
ぼくはオーストラリアへは行ったことがないのだけれど、ギリシャの友人曰く、だいたいどの家にも一人や二人、メルボルンに親族・親戚がいるのだとか。
いくらなんでも〝どの家も〟っていうのは誇張していると思うけど。
お店の内装関係は、サイトで確認したけどシドニーのお店と同じ。
ユーズド感ある白を基調に、ガラス張りで開放感があってなかなかナイス。
まずは咳喘息でしゃがれてしまったノドを潤すことに。
IPAが大好きなので、サントリーニの醸造だという Crazy Donkey を手始めに。サントリーじゃないぜ、サントリーニだぜ。
柑橘感のある苦味で普通に美味しいけど、ちょっと高いかな。ま、銀座代ってことで。
ピタにタラモを載せて。
ところで、タラモをタラコとジャガイモの合成語だと思っている友人がいて大笑いだったんだけど、タラモはギリシャ語で魚卵という意味。
たまたま発音がタラコに似ているから紛らわしいけど。
関係ないけど、イクラはロシア語で魚卵という意味。日本語ではない。
因みにキャビアのことをロシアでは〝チョルナヤ・イクラー (ЧЕРНАЯ ИКРА) 〟と言って、黒イクラという意味。
次に出てきたのが〝サガナーキ〟という、これまた長崎みたいな名前のチーズフライの蜂蜜がけ。
これはウマイ。
ギリシャの友人はハルーミというヤギ・ヒツジの乳から作るチーズを使っていたけど、これも多分ハルーミだと思う。
またまた脱線して...
日本では麻布十番がアザブジュバンなんてフランス語っぽく聞こえるとかって笑い話になるけれど、ギリシャにも同じようなネタがあって、
スガモト・マガサキ Sou Gamoto Magazaki
これが日本語に聞こえるのだとか。
日本語というか、日本人の名前みたいだけどね。
意味はというと、Fu*k you, a little shop (ファックユー小ちゃなお店)であまり意味をなさないんだけど、それが可笑しいんだそうだ。菅本さんには申し訳ないけれど。
ギリシャ人に言ったら馬鹿ウケ間違いなしだけど、TPOを考えて。
そしてグリックサラダ。
んーこれは日本人向け?オーストラリア人向け?にアレンジされているのか、フェタが小さ過ぎる。
ギリシャではこれの倍くらいの厚みのフェタがドカッと。なのでフェタ好きには物足りない。
メインは選べるようになっていたけれど、ぼくが選んだのはラムチョップにタジキ(ツァズィキ)というキュウリとガーリックの入ったヨーグルトソースがけ。
サイドにはケールを蒸したヤツ。
美味しいんだけど、けっこうなボリュームでおなかいっぱい。デザートにはレモンパイ。
遅めのランチだったので、食べ終わる頃には空も暗くなり始めていて、お店はディナーの準備かな。
お店は東急プラザの11階なんだけど、屋上はちょっとした展望スペースみたいになっていて数寄屋橋の交差点を見下ろせる。
反対側を見下ろせば〝公立小学校でアルマーニの制服〟で物議を醸した泰明小学校。ま、銀座ってことで。
家庭的なギリシャ料理というよりはちょっとシャレオツな感じであまりギリシャ感はなかったというのが個人的な印象。スヴラキ片手にウゾで酔っ払うにはちょっと高尚な感じかな。
未踏のオーストラリアだけど、シドニーやメルボルンにはきっとこんな感じのお店がたくさんあるんだろうなぁ。
中央区銀座5-2-1 東急プラザ銀座11F
03-6264-5220