65歳のおたんこナース -13ページ目

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



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星グリーフケア

スター日本人の悲嘆


花複雑性悲嘆について

①複雑性悲嘆(かつての病的悲嘆)

1、複雑性悲嘆とは

・複雑性悲嘆とは、正常悲嘆から逸脱した状態
 で、時には医療が必要となる悲嘆を指し
 ます。



・悲嘆の程度や期間が通常の範囲を超えて、
 社会的機能が阻害され(職業・家事不適応)、
 臨床介入が必要となった状態であるとも
 いえます。

・多くが正常悲嘆であるのに、明らかに回復の
 方向に向かわず、悲嘆の症状が出現し最も
 症状が目立つ時期が変化しないままの症例が
 1割弱ほどみられます。



2、複雑性悲嘆が及ぼす心身への影響

・複雑性悲嘆の経過は、性格や素因、死因、
 身体の状況、社会的なサポートの有無などの
 影響を受けます。

・強い喪失体験が契機となり、悲哀感が強く
 なり、思考の混乱をきたします。

・他の精神疾患が続発し、合併することも
 多くあります。

・自律神経系や内分泌系の調節が乱れ、
 身体症状を訴えることも多く、心身症の状態
 としてとらえられることもあります。

・また、身体合併症の悪化や、新たな身体疾患
 を誘発することも少なくありません。
 



・ただし、正常悲嘆においてもうつ的反応は

 しばしば認められるため、正常悲嘆と複雑性

 悲嘆との区別について苦慮します。







②複雑性悲嘆のとらえ方


1、複雑性悲嘆の特性


・複雑性悲嘆の特性は、本人が望まないにも

 かかわらず脳裏を占拠する思考侵入が、

 大きな特徴として挙げられます。


・しかし、それだけでなく、故人にまつわる

 事柄を極端に避けようとする思考回避

 挙げられます。




2、正常悲嘆と複雑性悲嘆の見極め


・正常悲嘆と複雑性悲嘆の見極めについては、

 発端は同じ死別であり、症状にも共通点が

 あります。


・異なる点は、症状が強いことです。


・正常悲嘆には反応軽減が経過中にみられます

 が、複雑性悲嘆では一定期間、症状は固着

 して続くために長引き、社会機能・生活機能

 にも影響がでます。




③複雑性悲嘆の要因と対処法


・複雑性悲嘆の状態を把握するためには、

 まず死別者の置かれている環境、境遇との

 関連性を十分に知ることが重要です。


・通常は察知できないことが多いのですが、

 精神疾患の既往歴も関連することがあり

 ます。


・喪失体験やそれに基づく精神症状など、

 より悲嘆と関連性の強い要因を中心に

 対処していきます。


・ただし、身体症状のように苦痛の大きい

 もの、生命にかかわるものについては、

 その治療が優先します。


・したがって、時には喪失体験のような

 根源的な要因には直接触れないことも

 あります。


・このような場合は、心理内面への急激な

 介入は避けます。


・危機回避を行いながら時期を待ち、

 身体症状や不安・抑うつ・不眠など、

 当面の苦痛の除去を行なっていきます。



1、異常精神状態


・悲嘆を増悪させている精神身体症状には、

 抑うつ・不眠・不安・恐怖・錯乱などが

 あります。


・これらの治療は薬物が主体ですが、併せて

 支持的精神療法を行います。



2、続発精神疾患


・悲嘆が通常より長引いて回復しにくい場合や

 内因性うつ病(原因が明らかになっていない

 うつ病)・急性ストレス障害・PTSDなどの

 精神疾患に移行してしまい、多彩な病状を

 起こしている場合は、その病状に応じた

 治療を行います。



3、合併身体疾患


・高血圧、消化性潰瘍、喘息、糖尿病などを

 合併しやすくなっています。


・またこれらの疾患が先行している場合が

 あります。


・これらの疾病は結果として社会機能の低下を

 きたすため放置できません。


・関連する専門医への紹介を行い、連携して

 治療する必要があります。



4、社会的不適応


・死別をきっかけに、家族関係の悪化、地域

 学校・職場環境への不適応があり、引きこも

 りなどの問題行動に至ることがあります。


・これらの場合は、環境調整を行い、家族・

 学校・職場などへの再適応の促進を図り

 ます。


・悲嘆は、本来は正常な心理反応なのですが

 些細なきっかけで異形になり得るのが人間の

 特性です。


・強度の依存や絶縁を含む複雑な対人関係や

 高度の記憶・認知の機能、精神身体機能や

 社会システムによる影響なども加わって

 病的な様式に発展すると思われます。


・複雑性悲嘆の段階になると専門医の受診を

 勧めます。




④悲嘆者の医療機関受診


・最近の精神神経科などでは、「こころの

 健康相談」や、「心療内科」など、

 受診での敷居を低くする試みが一般的に

 なっています。


・それでもうつ病の患者さんの7割以上は、

 医療機関を受診しないとされています。


・悲嘆をきっかけとしたうつ的反応でも、

 同様であると思われます。


・さらに悲嘆者の大部分が、自分が抱える不調

 を個人の内面の問題ととらえ、他人の力を

 借りる問題ではないと感じていることです。


・うつ病のような状態が起こるのは、

 自分の弱さの表れと思い、恥ずかしいことと

 考える人が少なくないようです。

 特に男性の場合は、際立ってこの傾向が強い

 とされています。







参考資料

 みんなで取り組む
  社会的緩和ケア 
        南江堂
 
 
 
    
  

    次回は

     "グリーフケア

      日本人の悲嘆

       予期による悲しみ①

                        予期悲嘆と予期不安"

                     

        

         

            

          

                               

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