漫才におけるツッコミのバリエーションを幾つか説明しておきたいと思います。

これはノリツッコミなどの前後の文章を踏まえた内容の技術ではなく

ツッコミの時の身体の動きである体技編です。

 

このブログが実生活で一般の方の役に立つことは無いと思いますが

 

もしあなたのスマホの充電が半分だった時に

 

「もう半分しかない」

「まだ半分もある」

 

「実は充電せずに3日目でした」

 

と言ったように、幸か不幸かのとらえ方は色々あると思います。

 

このブログの内容を実生活で生かすも殺すも読者にお任せします。

それでは参りましょう!

 

 

①『AJINOMOTOの味の素』

 

 

ボケ役側に近い手で、ボケの肩、あるいは胸を叩く。

手の甲を当てるのが一番ポピュラー。

手の平を当てると、手の甲よりもツッコミの制止に入る勢いが強く感じられる。

 

各家庭に大体ある。無くても皆が知っている。

使ったことなくても知っている。

そんな味の素にも似た、国民的なツッコミ。

プレーンなツッコミでよく見るスタイルである。

 

 

②『花びら占い』

 

 

両手、片手と手の本数に関わらずとりあえず話を制止する。

 

この話は本当なのか?マジ話?それともボケなん?

ツッコんでマジ話だったら何か失礼だろうけど、このまま野放しても大丈夫か?!

 

のときに、ちょっと待ってその話!といった迷いから相手を叩くことなく

迷いながらもツッコみ制止する姿勢。

 

あの人は私のことが「好き?」「嫌い?」と思いを馳せながらに

交互に花びらを引き抜き占う女の子のように、

 

この発言は「ボケ?」「まじ話?」と迷っている、

けれどこのまま走らせるのはいったん止めようという乙女なツッコミのスタイルである。

 

なお、やっぱりただのボケ話だった場合は、安堵やストレスからその後のツッコミは

通常の倍の力が加わる

 

 

③『まず手を洗いなさい』

 

 

ボケ役の胸や肩ではなく手を叩くツッコミ。

胸や肩よりも近くにあるので、素早くツッコむことができる。

 

ボケ役が身振り手振りをしながらボケているときに

何言ってんだよ!やめろよ!といったように

相手の行動を手早くそして省エネで制止することができる。

 

破壊力よりもスピード重視のツッコミスタイルである。

 

ただいまー!と帰って着たら、

一目散に食卓の上にあるお菓子を食べようよする我が子に

「まず手を洗いなさい」

と制止するようなものである。

包丁を使いながら、ガスで加熱調理をしながら、あるいは野菜を洗って濡れた手であっても、

外で汚れた手でお菓子を食べようとする我が子をバイ菌から守るための

キツイ口調とは裏腹の愛あるツッコミでもある。

 

 

④『浜ちゃん』

 

 

ボケ役の頭を思い切って叩くツッコミであり大きなボケに対して使われる。

側頭部・前頭部・後頭部いずれにしても、いい音を出して叩く、ツッコミ界の必殺技である。

1コンビに1回は少なくても出てくるツッコミであり、漫才中のシナリオでの

最大の盛り上がりのボケに対して使われるツッコミでもある。

 

正直、相手の頭を叩くということは失礼であり、日常生活ではほぼあり得ない。

ただ、漫才の枠を超えてバラエティでバシバシ頭を叩くツッコミをする芸人さんがいる。

 

ダウンタウンの浜田さんである。

 

彼は、先輩後輩・男女に関わらず頭を叩くツッコミができる強者である。

ただ、浜田さんの場合はその相手のボケの程度の大きさに関わらず、自分が叩きたいか

どうか。あるいは視聴者が叩かれているのを見たいかどうか?で選んで叩いている気がする。

間違えなく今一番他人の頭を叩けるツッコミ役であるのは浜田さんである。

 

 

⑤『ツープラトン』

 

 

ボケ役の頭部と、胸部のあたりを同時に叩くツッコミ。

頭部を叩くことで思考を、胸部を叩くことで声の基になる呼吸をダブルブロックすることで完全にボケをやめさせるツッコミ界の奥義である。

 

ツープラトンとはプロレスのタッグマッチにおいて2人のレスラーが協同し技を

繰り出すことで、とてつもない破壊力とエンターテインメント性を醸し出す技である。

 

間髪入れずにツッコむ関西での漫才では見ることができるかもしれないが

通常の漫才では見ない事の方が多い、決まったときはツッコミ役も嬉しいものである。

 

ちなみに僕の中のプロレスでのベストオブツープラトンは

天山小島、通称テンコジのテンコジ・カッター。

漫才の中でのベストオブツープラトンツッコミは

中川家の礼二さんである。剛さんの衝撃でひるむ姿も素晴らしい

 

⑥『私の、私の彼は』

 

 

ツッコミ役が、ボケ役に遠い手でツッコむツッコミ。

半身の状態で左肩を見せながらツッコむ。

右手でやるよりもツッコミに時間がかかるが

遠心力を利用すると大きく制止することができる、効率よりも質重視のツッコミである。

 

こんな非効率なツッコミを、何にでも費用対効果が叫ばれる世の中で

僕がお目にかかったことがあるのは大御所「酒井くにお・とおる」師匠くらいである。

 

彼らの漫才を見ていると、

なんで左で突っ込んでるんだろう?と疑問に思ったが。

 

恐らくただの左利きだという答えに着地した。

 

たまに、「歯磨きと箸は右だけど、ボール投げるのは左」という左利きはいるが

酒井くにお・とおる師匠の場合は歯磨きと箸もボール投げるのも相方ツッコむのも

歯と歯の間につまようじツッコむのも左利きというだけではないか。

 

ここまで生粋の、左利きは職人の域にまで達し、むしろエゴだとも呼ぶべき

ウルトラスーパーレアツッコミである。

 

…と以上でツッコミのバリエーションを発表を終わります。

 

最後の「私の、私の彼は」については

iphoneが世の中にあふれるシンプルな美しさが流行る中でも

人間らしさが表れる素晴らしい体技だと思います。

 

人間って結局どんくさかったりが好きだし、むしろ効率が悪いことが

笑いには大きく影響すると思いますので

皆さんも自分なりのツッコミを磨いてみてください!

 

僕もさ効率重視でイラストをPCで棒人間で書いたけどさ

フリーハンドでコピペしないで下手くそでもイラスト描いた方が

もっと面白かっただろうなと反省してます。笑