本ブログ著者がNext Oneにとりあげられました。
個人情報が盗まれた場合の代償
人間は自分に身の危険がおよばないと、実感がわかないものです。天災もそうですが、ほとんどの人にとって個人情報の漏洩はまだ「対岸の火事」かもしれません。特に日本人はそうでしょう。私も実際の「被害」は、身に覚えのない50ドル程度のチャージ(しかもいったこともないドイツで)がクレジットカードにあり、カスタマーサービスと話してそくそのチャージを落としてもらい、しばらくそのカードをとめてもらった(最終的にはキャンセルしました)くらいです。それでももちろんめんどうといえばめんどうですが。
もし自分のクレジットカードがそれだけであり、クレジットカードを必要性が高い時期であればそれなりの不便さを感じたかもしれませんが、そうではなかったので助かりました。
この記事 (http://www.pantagraph.com/news/update9304.html )でとりあげられている米国人の女性はそれほど幸運ではなかったそうです。読み物としておもしろく(失礼!)、結構長いのでさわりだけにしますが、彼女は、
* 57歳にして個人情報盗用の被害にあった
* 今までにカスタマーサービスや店などと延べ1800時間交渉してきた
* インターネットではなく、地方の小さい病院の事務所である女性に個人情報を盗まれた
* この犯人は、重罪の起訴だったが軽犯罪の判決(2年間素行を注視されて評価される)で済んだ
* この犯人は他の犯罪者に情報を転売したらしく、いまだにこの被害者のクレジットカードには身に覚えのないチャージが現れる。
* 前指摘したクレジットスコアのもとになるクレジット利用履歴(クレジットヒストリー)を扱い更新している機関のもつ自分の情報の正確性に常に疑問をもたなければならないため、この被害者は私も米国ではいっていたようなモニターサービス(クレジットヒストリーに傷がついていないかどうか1ヶ月に1度くらい報告がくる有料のサービス)を使っているが、それしか自分を守るすべがなくとても不安。
という状況下にあります。とても同情しますよね。日本もこんなことにならないようにしなければと思いませんか?
最近の米国版振り込め詐欺は陪審員制度につけこんだもの
日本で「オレオレ詐欺」「振り込め詐欺」がはやってきたからくりは、事故やスキャンダルなどを示談するなど、非常時や非日常的なできごとがおき、穏便に金ですませるのがよさそうだと思わせる人間心理、それも今やらないというハイプレッシャー、パニックの状況を作ってということが背景にあると思います。「これはやばいことになった、ここで個人情報をあげて金をはらえば逃れられる」という心理をついた犯罪です。これに警察官や裁判官などの「権威・権力」がさらに付加されればわれわれは怖くなって従うという心理も働きます。
米国では少しやり方は違うのですが、ちらほら最近記事が増えているのが(例は、 http://www.woai.com/news/local/story.aspx?content_id=F31DBE04-1424-4DE9-8BE2-E2298CA80EB9 )、「陪審員詐欺」とでもいえるやり口で、やり口はソフトですが似ているなあと思わせます。日本では若干詳細は異なっていますが「裁判官制度」として近い将来導入されるこの制度では、ランダムに選ばれた市民が裁判の陪審員を務める義務があり、これはたとえ職場も拒めず市民の義務として重要なものです。審議が何日も続いたらそれこそ一般人には大変です。私の周りのアメリカ人も大体生まれてからこの通知を受けたことが1度はあるようです。
さて、この場合の詐欺は、「召喚通知が出ているのに出頭しないのはまずいですよ」と裁判所の事務員を装った人から電話があり、こちらがうろたえたり、そんな通知はもらっていないというと、「事務的な間違いがあるかもしれないので、念のため社会保障番号(これはとても米国では大事なID番号です。以前ふれた「クレジット・スコア」もこれに紐づいています)、氏名、生年月日などを教えてくれたらこちらのリストと照会して今はっきりさせる」といって個人情報をかすめとるというやり口です。もちろんそんな情報をあげてしまえば、自分の名前で高額な買い物をされたり、銀行口座から引き出されたりする運命が待っています。
カイロプラクターの患者情報を盗用して逮捕
このケース(www.kirotv.com/news/5028075/detail.html ) は、純粋な「オンライン詐欺」ではありませんが、日本では携帯電話、簡単にとれる住民票などによる個人情報の漏洩や詐欺行為も多いですし、複合的な詐欺行為は増加すると思いますのでとりあげます。米国ワシントン州で、カイロプラクターの患者の個人情報を意図的に盗み、小切手(米国では個人が小切手帳をもち、日常的な請求書の支払いに多用します)の偽造や盗んだ個人の小切手口座から現金を引き出したりなどの詐欺行為を働いていた4人を逮捕したということです。そのうちの1人の22歳の男にローカルのテレビ局が連行前にすばやく聞いたところでは、犯罪歴があり職にありつけず、ガールフレンドを使って犯行を重ねていたという輩だそうです。あきれますね。地元の警察の談話が出ていますが、医者にはプライバシーに大きくかかわるような個人情報が集まる傾向にあるので、ある意味目のつけどころはよかったのでしょう。病院やクリニックからの情報漏洩は日本ではまだあまり聞きませんが、もし起こった場合大きな問題になるでしょう。アメリカでは、故意かそうでないかは別にして赤ん坊のすりかえを防ぐために、生まれるとすぐID番号をふったバンドをつけ、 それで管理をすると聞きます。今後はヘルスケアの個人情報も大きなテーマになっていくのでしょう。 電子カルテが広く流通すれば他の医者にかかったり、薬局にいったとき、海外旅行のときの急病などの場面でも安心になる反面、 漏洩のリスクも大きいものになると想像できませんか?
