見積もりに伺った施主様の屋根。(工事前)

   

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スレート瓦葺きで塗替えをする場合、

このような、部材(縁切り用タスペーサー)を重ねしろに差し込みます。

これは、塗装工事によって、重ねしろがペンキで塞がってしまうことを

防止することが目的です。

 

※重ねしろが塞がってしまうと、中に入り込んだ雨水が抜けなくなって、

後々、屋根材の劣化を早めたり、雨漏りにつながる可能性が高くなります。

 

昔は、このタスペーサーという部材がなく、

塗装が仕上がった後に、一枚一枚の重ねしろの

塗膜で塞がった部分を、縁切りカッターで切り込んでいました。

※今でも、状況に応じて、この方法をとることもあります。

 

実は、私が100件以上の屋根診断に上がって

これまで、このタスペーサーが差し込まれていたお宅は

…………なんと、ゼロでした。

(対象は、1回目以上の塗替えをされているお宅。

新築時には、当然必要ありません)

もちろん、縁切りカッターでの切り込みもしてありません。

 

その現状を見るにつけ、正直、前回塗替えした業者は、

案外、縁切りの必要性を軽く考えているんだなぁ。

と疑問に感じていました。

 

そして、今回、晴れ晴れのタスペーサー差し込みがされている

お宅に巡り会った!と思ったが……ところが……

 

詳しい説明は省きますが、

「効果を発揮するように差し込まれていない」と私は判断。

施主様には、説明し今回の塗替え時に「規定通り」に改めて差込

する必要がある旨を説明しました。

 

正直、前回の工事内容を否定するようで言いづらかったのですが、

けれど、もし自分が客の立場だったらどう思うだろうか?

そう考えた時に「間違いのない仕事をして欲しい」って

そう考えるだろうなと思いました。

 

言いにくいことも伝える。

これは、私だからこそできることだと思います。

 

★工事を発注頂き、このように「追加でタスペーサーを差し込み」ました。

しっかりと、重ねしろの隙間が確保できています。これで安心です。(工事後)

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