はじめに


 「朝顔のつるは放っておいたらあっちこっちいろんな方向へ伸びてしまう。しっかりとした支柱があれば迷わずまっすぐ上へと伸びていく。あなた方お母さんも子ども達をまっすぐ伸ばす支柱になればいいんです。」

河島先生の言葉はいつも奥が深い。


 私が我が子の障害を知って2年余り、自閉症という脳の器質的障害による育ちにくさ、歪みやすさを実感しながら、悪戦苦闘の子育てが続いている。(面白がりながら、楽しみながらの域にはまだまだ達しそうにない。)しかし、自閉症は脳の障害であっても、心や情緒の障害ではない。


 最近世間では、いじめや学級崩壊など、何の障害も持たずに生まれてきたはずの子ども達が学童期に心の病気にかかるという問題が深刻化していると聞く。


 五体満足に生まれてきても歪んで育つ子ども達、かたや、障害を持って生まれては来たが、親の強い信念や上手いリードにより健康な心で好ましく育っていく子ども達…。私達親子は2歳半という早期から子どもの障害に対する正しい知識と適切な療育について学び、我が子を後者の子どもに育てていける可能性を見つけることが出来た。嘉成の障害は完治しないのかもしれないが、将来社会に出た時、人に嫌われず、何かこの子にしかない魅力を持った人間に育って欲しい。そんな願いを強く持ったトモニ2年目だった。



 こんなこと、今から24年前に考えていたのですね。頭が下がります。


 

 息子の4歳児の記録を綴っていきます。

まさに自閉症児の子育てをしている方、のみならずさまざまな子育てにお役に立てれば亡き妻も喜びます。



 息子の神戸の展覧会も、明日(17時)までになりました。


どうかよろしくお願いいたします。