「人間力」「つじつま」について・・【20200319加筆】 | 鶴木次郎のブログ

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日々思ったことや、興味深い書籍記述の抜粋引用です。

本日の首都圏は元日にしては気温も上昇し、日中に関しては比較的過ごし易かったように思われます。


また、当ブログに関しても本日の投稿は止めておこうと考えていましたが、さきほどブログ閲覧者数を確認したところ、思いの他多くの閲覧者を得ていたことから、書くことにしました。


さて、昨日のブログ記事では、西郷南洲翁(隆盛)のことを題材として取り上げました。


しかし、少し考えてみますと西郷隆盛に限らず、多くの歴史上の人物の個性・性格といったものは、関連するいくつかの書籍・資料などをあたりますと(最近のテレビドラマのような)安易な解釈が出来なくなるのではないかと思われます・・。


これを異言しますと、その人物の行った業績と個性・性格との間に矛盾が見られ「つじつまが合わないことが多い」ということになります。


また、そうした個性・性格を持つ人物が比較的多く見出され且つ、現代に一番近い時代が、維新回天期であると思われます。


おそらく、この維新回天期は、江戸時代、封建制の枠組みに抑えつけられていたさまざまな個性・性格が、枠組み(封建制度)の劣化・弱体化により、そのエネルギーがあふれ出てきた時代であったのではないでしょうか?


そして、そうした時代では、それまでの封建制度内においては有効であった個性・性格よりも、より総合的な、現代でいうところの所謂「人間力」を持っている人物の方が活躍する可能性が高くなると云えます。


西郷隆盛をはじめ、日清・日露戦争(明治維新~太平洋戦争敗戦の前半部)あたりまでに活躍した我が国各界首脳部の多くは、主にこの「人間力」が。その後の我が国各界首脳部に比べ高かったのではないかと思われます。


「ヒトが制度を作り、その後は制度がヒトを作る」と云いますが、近代以降の我が国は、ヒトが制度を作っていた時期(明治維新~太平洋戦争敗戦の前半部)においては、比較的上手く国を運営することが出来ていましたが、その後、制度がヒトを作る時期(同後半部)に入りますと、何といいますか、つじつまは合っているが小さくまとまっている人物たちが各界首脳部におさまるようになり、彼等が国政を主導した結果、数々の失策に続き、太平洋戦争の敗戦に至ったのではないかということが出来るのではないでしょうか?


そして、そのように考えてみますと、焦点を当てるべきは「ヒトを作る制度」になると思われますが、それをより具体的に云いますと「教育制度」であると云えます。


しかしながら、昨今はいざ知らず、少なくとも近代以降の我が国の教育制度は、概ね高い水準を維持していると国際的な見地からも認識されている(た)と評して良いと思います・・。


そうしますと、その「教育制度」の中の如何なる要素が個々の「人間力」の増進に寄与しない、あるいは劣化させるのかと考えてみますと、それは初等・中等そして高等教育に段階分けされる教育制度全般のなかで、特に高等教育にて、そうした傾向が強いのではないかと思われます・・。


とはいえ、こうしたことは同じく昨今、さまざまなところで主張されていることであり、ここで特に強調しておきたいことは、そうした我が国高等教育の変革の必要性が認識されるにしても、その具体的な変革が反知性的な方向に舵を切らないようにした方が良い、あるいは卒業、修了後の社会において必要とされる技能、知識の獲得により重点を置くことは、むしろ歓迎すべきことではあるのですが、同時にそれが教養といった『ある種の学問への能動性』の活性化に寄与せず、逆に、その芽を摘み取ってしまうことにならないよう細心の注意をもって推し進めて頂きたいということです。

 

そして、これが現今の我が国高等教育およびその変革にて極めて重要なことであるように思われます・・。


また、多少蛇足気味ではありますが追記しますと、近代以降の我が国は、そうした(一見些細な)ことを蔑ろにした結果、どうも変な方向に行ってしまっているのではないかと思われることがあります・・。


しかし、これもまた煎じ詰めると、我が国の極度に此岸性を重視する性質(国民性としての執拗低音、バッソ・オスティナート)の結果であるのかもしれませんが・・。

 

今回もここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。

 

順天堂大学保健医療学部

 

 


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