10月15日 東洋経済
苦境に呻吟する消費者金融業界で、ついに大手が経営破綻に追い込まれた。9月28日、武富士は東京地方裁判所に会社更生法の適用を申請し、受理された。負債総額は4336億円、合計926億円の社債は債務不履行(デフォルト)となる。過払利息請求権を有する借り手(元借り手を含む)の利息返還額も大幅カットは避けられず、返還請求を急ぐ動きが加速しかねない。消費者金融、信販・クレジットカード業界は、早くも“武富士余波”の暗いムードに包まれている。武富士の清川昭前社長が金融庁を訪れたのは9月21日。清川氏は同庁幹部に「会社更生法申請の意向」を伝えた。その直後、ひそかに金融庁は「消費者金融会社向け融資額を急いで教えてほしい」と、銀行に対するヒアリングへ動き出す。しかし情報は瞬く間に漏れ出て、マスコミ各社は「武富士問題が急迫」と緊張感を高めた。そして27日には、「武富士が会社更生法申請」という報道合戦が過熱。
当初は10月1日を予定していたとみられる会社更生法申請は、28日に前倒しされることとなった。狂騒状態の中で、武富士は頓死に追い込まれたように見える。だが騒動が落ち着くにつれ、業界内から聞こえ始めたのは「やはり」と、「しかし、なぜ」という相反する二つの言葉だ。取り巻く環境が厳しいことは想定できたが、なぜ、このタイミングなのか――。同社は28日夜に記者会見を行い、新社長に就任した吉田純一氏は「このままではデフォルトになる見通しとなった」と更生法申請の理由を説明した。だが記者たちの納得は得られず、「なぜ、今なのか」という詰問が続いた。武富士の資金繰りが悪化していたことは間違いない。今年に入り、保有不動産やローン債権の売却で何とかしのいできた。来年4月にはグローバル債6億4500万ドルの償還期間を迎え、資金確保で最大級のヤマ場が控えているが、これは4カ月以上も先だ。西新宿にある本社ビルなどの不動産資産や、4000億円規模のローン債権などの資産をさらに売却する余地はなかったのか。
会見では、自主再建を断念したことに対する明確な説明がなされたとは言い難かった。過払利息返還請求が減少せず、武富士の経営を圧迫していたことは事実だ。8月末時点で、利息返還の未払い額は1713億円まで積み上がっていた。ある弁護士は「武富士は来年まで支払いを待ってほしいと言った」という。来年になれば武富士に支払い余力はあったのか。これも不透明と言わざるをえない。今回、東京地裁が採用した会社更生法は、現経営陣の一部が残留する「DIP型」に準ずる方式だ。その理由について保全管財人の小畑英一弁護士は、「膨大な過払請求がある中、更生法の申し立て前の準備と申し立て後の対応、体制に連続性を確保しないといけないため」と説明した。だが、経営責任を問題視する声は少なくない。
潜在的な過払利息返還請求者は「100万~200万人で、1兆~2兆円と予想される」(小畑弁護士)が、更生手続の結果、返還金の大幅カットが余儀なくされる。社債の保有者もデフォルトによる損失を被ることになり、株も100%減資によって紙くずとなる。新経営陣は、債権者の理解を得られるのだろうか。数々の疑問点は残るが、消費者金融、信販・クレジットカード業界にとっては、首をかしげる余裕さえもなさそうだ。今回の破綻劇によって、今後の過払利息返還請求が増大する懸念がさらに強まったからだ。「経営破綻した武富士は『これしか支払えません』で済むが、存続しているわれわれは全額返還しなければならない」。業界内では、異口同音にこんな言葉が交わされている。確かに「生きている者こそ苦しい」のならば、武富士は今、極楽にあるのかもしれない。
計画倒産なんでしょうかね?武富士は貸金業者の中でもかなり利益を上げていたと思いますし、何より経営者一族は掃いて捨てるほどの金を持っているような気がします。これを過払い請求をしてきた人に払ってあげればいいと思うんですけどね。金に目が眩んで、法定利息の範囲内とはいえ、暴力的な取り立てをして、多重債務に苦しむ人から金をむしり取っていたわけですからね。その後、債務整理がブームになり過払い金があるかもしれないということで弁護士や司法書士に相談した多重債務者がここぞとばかりに逆襲してきた結果ですよね?因果応報だと思うのですが、このまま過払い金を大幅に減額して逃げようと考えているんでしょうけど、世の中そんなに甘くありませんからね。的確に沈めてくれるように期待しようと思います。