10月14日 日経ビジネス


消費者金融大手、武富士の破綻から約2週間。余波は、関係者にじわりと広がっている。利息返還請求の和解金が大幅に減額されそうな弁護士は肩を落とす。その一方で、零細企業の資金調達環境は一段と厳しさを増している。 武富士破綻の余波が、一部の弁護士事務所を震撼させている。「まさか、こんな突然に破綻するとは…」。東京都内に事務所を構える弁護士がうなだれる。弁護士はここ数年、依頼人に代わって消費者金融や信販会社を相手に、払い過ぎた利息、いわゆる「過払い金」の利息返還請求を生業としてきた。 9月28日に約4300億円の負債を抱えて会社更生法の適用を申請した武富士からも、今年5月に総額約6000万円の過払い金を取り戻すことで、和解が成立していた。武富士側は、6000万円を一度に支払うことができないと申し立てたため、分割して支払いを受けることになっていた。


ところが、その4カ月後に、武富士は破綻した。「まだ数百万円しか受け取っていない」という弁護士は、頭を抱えている。2010年4~6月期の武富士の営業貸付金残高は5101億円。一方、負債に計上した利息返還損失引当金は2116億円。毎月の利息返還は、100億円程度で高止まりしていたという。今回の破綻を受けて、利息返還請求はさらに増加すると見られているが、実際にお金が全額戻ってくる可能性は低い。なぜか。ある消費者金融の幹部が解説する。「過去の消費者金融や事業者金融の破綻例では、大幅な債務カットが認められている」。例えば、昨年11月に負債総額約2500億円で会社更生法の適用を申請した事業者金融のロプロ(旧日栄)は、弁済率3%、実に債務の97%が減免された。2008年3月に民事再生法の適用を申請した消費者金融、アエルのケースでも、95%の大幅な債務カットが認められている。


武富士の債務減免措置については今後明らかになるが、関係者は9割近い債務カットの可能性もあり得ると見ている。そうなれば、冒頭の弁護士が獲得した過払い金約6000万円も、今後は残りの1割ほどしか戻ってこない。しかも、この弁護士事務所は、8月締めの決算で、この和解金を既に営業収益として計上してしまった。実際に入ってくるキャッシュは大幅に減る可能性が高いだけに、「これからどう対応すればよいのか」と弁護士は途方に暮れている。消費者金融や事業者金融を相手に過払い金の利息返還請求で、多額の収益を上げていた弁護士事務所は少なくない。武富士から獲得した過払い金の減額によって“減収”を余儀なくされる弁護士事務所は、今後も多数出てくると見られている。そして、こうした弁護士の矛先は、過払い金利息の支払い余力のある既存の大手に向かう。


「プロミス、アコム、レイク、CFJといった消費者金融大手や、三菱UFJニコス、JCBなどのカード・信販会社。彼らに対する過払い金利息返還請求がまた増えるのではないか」と関係者は見る。「営業貸付金残高4000億円が、1つの目安」。先の消費者金融幹部が言う。この幹部によれば、過去の破綻の例を見ると、残高が4000億円を割り込むあたりで、キャッシュインとキャッシュアウトが逆転するという。「上限金利の引き下げで収益増が見込めない中では、過払い金利息返還によるキャッシュアウトに耐えられるだけの残高がなければ残れない」。三井住友銀行グループのプロミスの2010年3月期の営業貸付金残高は、前年同期比で10.8%減の1兆5638億円。同様に、三菱UFJフィナンシャル・グループのアコムも、同10.8%減の1兆1735億円。直近の決算期で5000億円に近い水準にあった武富士に比べれば、貸付金残高の「山」はまだ高い。だが、状況が今後も変わらなければ、体力勝負にもやがて限界が来る。


今まで散々取り立てをしておいて過払い金の支払いで資金がなくなったので破綻しますでは、債務者が納得しないでしょうね。会社としても資金はなくとも、経営者一族の財産はこれでもかというくらいあるんでしょうから、私財をなげうって過払い金に充当していただきたいと思います。債務整理のマーケットがここまで膨れ上がってしまうということは予想外だったかもしれませんが、身から出た錆ですので、過払い金はきっちり返していただきたいですね。武富士は資金繰りに困って破綻したということになっていますが、過払い金を払うのが面倒だという理由で、計画倒産を謀ったのでは??という記事も一方で目にします。散々多重債務に苦しむ人間を食い物にしておいてこれじゃぁ到底納得は出来ないですね。弁護士、司法書士の両軍が過払い金を取り返したう上で、きっちり沈めてくれることを期待したいですね。