マナマコの超高級加工品としてくちこを紹介しましたが、きんこと呼ばれる高級加工品もあるんです。ご存知ですか?
きんことは干しなまこのことです。但し、北海道や東北地方ではキンコという標準和名を持つなまこが市場流通してるのでややこしいんです。
干しなまこをいりこと呼ぶ方が全国的には一般的のようですが、小さな雑魚を炒って干した物も炒子(いりこ)と呼ぶので、こちらも同様にややこしいんです。
きんこの材料は マナマコ(青なまこ・黒なまこ)とオキナマコです。マナマコでも赤なまこは使われていません。
赤なまこできんこを作ろうとしたことがありますが、皮の部分がごわごわになり、うまくできませんでした。このあたりが課題なのかもしれませんね。
マナマコ(青なまこ)
マナマコ(黒なまこ)
オキナマコ
きんこの製造方法はシンプルです。腹側に切れ目を入れて内蔵を取りだし、1~1.5時間海水で煮た後に乾燥させます。天日乾燥の場合、3週間から1ヶ月要します。両手で握るほど大きかったなまこが親指ほどのきんこになってしまいます。高価なはずです。
15年ほど前に作業中の方にお話を聞いたところ、同じきんこでも青なまこのものは一級品で中国へ輸出するが、黒なまこは二級品で台湾へ、おきなまこは三級品で韓国へ行くとのことでした。
いずれにしても、殆どが中華料理の高級食材として利用されているようです。このため、私たちが普段目にすることがないわけです。
中国ではなまこは健康に良いと信じられており、特にいぼいぼの大きい方が効果が高いと信じられているそうです。
同じマナマコでも北海道産はいぼいぼが大きく、日本産の中でもブランド品となっています。
そのことを知らなかった頃、北海道産のマナマコが能登産に比べて3倍以上の高値だったことが信じられませんでした。
関係者に聞き取りして初めてそのことを知り納得した次第です。
天日乾燥中のなまこ
天日乾燥中のなまこ(一級品)
天日乾燥中のなまこ(二級品)
きんこ(完成品)