ベンケイガイは北海道南部から徳之島に至る水深3~20mの細砂底に生息するタマキガイ科の一種で、殻長9cmほどに成長します。
能登の砂浜を歩くと打ち上がった貝殻をよくみかけます。殻頂部にはツメタガイによるものでしょうか、小さな穴が開いたものも少なくありません。
ベンケイガイ(殻外側)
ベンケイガイ(殻内側)
このブログでタマキガイ類の貝殻を利用したイイダコつぼを紹介したことがありますが、写真だけでは種名までは判別できませんでした。
イイダコつぼ
砂浜に打ち上がったイイダコつぼを先日偶然に拾い、まじまじと観察してみました。貝の種類はベンケイガイでした。
殻頂部に穴を開けて紐で両殻をつないだカスタネットのような漁具です。なかには庄七の文字もあり、所有者の名前?が書かれていました。イイダコが住みたくなる漁具なんでしょうね。
砂浜に打ち上がったイイダコつぼ(閉じた状態)
砂浜に打ち上がったイイダコつぼ(開いた状態)
似た種類にタマキガイがいるので、ベンケイガイとともに利用されている可能性があります。しかし、砂浜に打ち上がっているのはベンケイガイが殆どなので、使っているとしてもその割合は極めて低いのではないでしょうか。