能登半島では、とびうおは5~7月に漁獲が集中する魚で、その殆どがツクシトビウオとホソトビウオです。
他に、ホソアオトビ・アヤトビウオ・トビウオ・ハマトビウオ・アリアケトビウオが混じっている可能性があります。でも、コンテナにまとめて入っているので、混じっていても正直わかりません。
石川県では、ツクシトビウオをかくとび、ホソトビウオをまるとびと呼んで区別しています。石川県水産総合センター主要10港水揚げ量をみると、トビウオ類として集計され、2021年が143トン、過去10年平均が233トンと水揚げ量が多い魚種のひとつです。
今回は、漁獲の大部分を占めるツクシトビウオとホソトビウオの見分け方を紹介します。他のトビウオ類を運悪く?見つけた場合は、役に立たないのでご容赦下さい。
ツクシトビウオ
ホソトビウオ
市場でかくとびとまるとびに分けられているので、どうやって区別しているのか聞いたところ、大きいのがかくとび(ツクシトビウオ)、小さいのがまるとび(ホソトビウオ)と単純明快な答えが返ってきました。
鳥取県水産試験場のホームページに過去の調査結果が掲載されていて、体長組成のピークがツクシトビウオで24~26cm、ホソトビウオで19~20cmと異なっています。多少の重なりが両種の組成にあっても、問題にはならないレベルということでしょう。ある意味合理的ですね。
魚類検索図鑑をみると、胸びれ先端が暗色なのがツクシトビウオ、透明域があるのがホソトビウオになっています。胸びれを広げると、膜の部分がどんどん裂けてきて先端部分がよく分かりません。なんとなく、ホソトビウオの方が透明かな?という程度です。
ツクシトビウオの胸びれ
ホソトビウオの胸びれ
かくとびとまるとびの名前の由来は魚体の断面が角張っているかどうかです。正面から両種を眺めても、私には正直わかりませんでした。慣れないと無理なんでしょうね。
島根県ではツクシトビウオを大目、ホソトビウオを小目と呼んでいます。その名の通り、目が大きいか小さいかです。そもそも体長が違うので、正直比べるのが難しいですね。これも慣れないと無理なんでしょうね。
見分け方?を紹介しましたが、正直難しいということがお分かりになったでしょうか。残念です。
ツクシトビウオ
ホソトビウオ
時期になればスーパーに並ぶ魚です。値段もリーズナブルでお勧めです。ツクシトビウオはサイズが大きいので刺身がお勧めです。小骨が気になる人もいるかもしれませんが、気にせず旨みを堪能しましょう。
ホソトビウオはフライがお勧めです。ほくほくした身から美味しさが溢れてきます。
能登ではあごだしがあります。とびうおを焼いて干す製法と釜ゆでしたものを天日干しする製法の2通りがあります。いずれも甲乙付けがたい美味しさです。そうめんの出汁に使うのですが、私の場合、ぼりぼり食べていつの間にかなくなっています。
ツクシトビウオの刺身
あごだし