清瀬はなぜ財政が厳しいのか | 清瀬市議会議員  石川秀樹のブログ

清瀬はなぜ財政が厳しいのか

・財政力指数最下位(0.68:2017年度)

・高齢化率3位(27.65%:2017年)

・公営住宅率1位(都営・UR・公社)(23.3%:2013年)

 

これらの指標は、いずれも多摩26市のなかでの清瀬市のランキングです。

清瀬はなぜ財政が苦しいのか。それは街の成り立ちに関係があります。昭和6年に結核の療養所が誘致されてから、清瀬の南口には最盛期で15の結核病院と約5千人の結核患者が入院治療していました。結核が治る病気になってからは、結核の病院から一般病院へと転換され、さらには福祉施設への転換も進んだため、住民数あたりの医療・福祉施設数は全国トップクラスとなりました。いっぽうでこうした医療施設からは固定資産税がほとんど入ってきません。

また、清瀬の北口に広がる広大な農地は清瀬の自然のシンボルでもありますが、農地のほとんどを占める生産緑地は1㎡あたり1円の固定資産税しか入りません。

病院街も農地も清瀬のシンボルなので大切にしたいものですが、財政面だけを考えると税が入ってこない土地といえます。財政力の弱い自治体には国から地方交付税が交付されますが、100%補填されるわけではないので、どうしても都内の他の自治体に比べると財政の弱さが目立ってしまいます。

 

 

もうひとつ、昭和40年代に市の周縁部を中心に、都営・公団(UR)・公社住宅が建設されたことで、清瀬市の公営住宅率は都内で1位になっています。

モダンな団地生活は当時のサラリーマンにとって憧れの対象で、団地に当選するのは宝くじ並みの確率であったと言います。旭が丘団地も私が住む台田団地も、当時はどこの家にも子どもがいて、大きな団地ができるたびに学校が建設されました。

清瀬で育った是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』は旭が丘団地が舞台ですが、今では子ども世代が抜け、高齢の親世代が残されたために、団地の高齢化率は50%を超えています。当然、介護関連の福祉サービス費は膨張しますし、残された小規模小学校の維持管理費はあまり減りません。

税収を簡単に上げる方法はありません。地道に行革を進め、歳出を抑える改革が必要です。いまも市の正規職員が担っている空き缶の収集業務などを民間委託することで浮いた費用を、福祉や教育に回すことが必要です。