若者と社会の変革 | 清瀬市議会議員  石川秀樹のブログ

若者と社会の変革




チュニジア、エジプトに続き、北アフリカと中東の国々で民主化を求める動きが加速している。
デモの中心が若者であるのはどの国も共通している。
イスラム原理主義の台頭ではなく、高い失業率や富の偏在に異議を唱える若者の自然な体制批判であると思う。
さきほどのニュースでは、リビアでは100人以上の死者が出ているという。
今回のデモの呼びかけでは、facebookやtwitterといったツールが活用されたと聞く。
ここまで緊張感を持ってfacebookやtwitterを凝視している社会もあるのだ。
民主化要求は支持する。しかし何があっても死んではいけない。
軍は、何があっても若者に銃を向けてはいけない。


学生時代、1985年に中国の保定という地方都市を訪ねたことがある。まだ公安局の許可証がなければ外国人が訪れることができなかった時代だ。ちょうどソ連ではチェルネンコが死去しゴルバチョフが葬儀委員長として実権を握ったときだった。保定にある河北大学の大学生たちから私はこのニュースを聞いた。これから世界が大きく変わることを実感し、町の食堂の生ぬるいビールで彼らと一緒に乾杯したことを覚えている。どこから情報を入手したのか、彼らはゴルバチョフが改革派であることを良く知っていた。非合法化されていたポーランドの「連帯」についても強い関心を持っていた。

気持ちだけは若いつもりでいるが、そんな話ははるか昔話になってしまった。
最近日本に来る中国人の若者をつかまえてそうした話をしてもまるで関心を持ってもらえない。天安門事件さえろくに知らない留学生もいる。そうした中国人留学生に物足りなさを感じ嘆くと、自分がすっかり年をとってしまったことに気づく。


午前中、4歳の息子を連れて公園を散歩していたら、背を向け合いうつむいて立っている20代のカップルがいた。深刻な状況なのかと子どもの手を引いて足早に通り過ぎたら、じつは二人ともそれぞれスマートフォンでゲームをやっていた。
なんとも平和な社会だと思う。
でもこうした状況が長く続くはずがない。
日本ではfacebookでデモの告知が行なわれる前に、政治の混乱はより深く進み、
そして財政が破綻し、さらに社会全体が混乱していくような気がする。