議会が本来の役割を果たすために必要なこと | 清瀬市議会議員  石川秀樹のブログ

議会が本来の役割を果たすために必要なこと

「無所属の会 清瀬市議会レポート」から
もうひとつの記事をUPします。

■議論をしない議会?
 清瀬市議会では議員どうしが議論をすることがほとんどありません。本会議でも委員会でも、議員が、市長(執行部)に質問や要望をぶつけるだけです。討論はありますが、自分(会派)の意見を表明するだけで、他者と議論し妥協しながら議会として見解をまとめていく作業ではありません。
 これは、市長にとっては大変ありがたいしくみです。市長提案を無条件で受け入れてくれる会派は「与党」として優遇することができます。「与党」を標榜する会派にとっても、他の会派と議論することなく、自分たちの要望を政策に反映させることができるなら楽なものです。しかし、これは地方議会の本来のあり方から逸脱し、議会のチェック機能を弱めることになります。
 日本の地方自治制度は、議会と首長を住民が直接選挙で選ぶ二元代表制を採用しています。国会議員から首相が選ばれる議院内閣制とはしくみが違うのです。二元代表制の議会の役割は第一に首長の行政運営をチェックすることです。議会と首長が緊張関係にあるべきで、議会の中に「与党」「野党」があるのは本来おかしなものです。

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■市長がもっとも恐れる議会は
 議員どうしの議論で清瀬市議会の意思をまとめることをせず、会派単位で市長に対してバラバラに意見を主張していては、市長はそれぞれを参考意見とするだけです。議会を何らの脅威と感じないでしょう。もしも議会が議会として統一した意見を市長にぶつけたら、さすがに市長も無視することはできない効力を発揮するはずです。 
 仲良し議会になって多数の意見に従えと言っているのではありません。議員によって主義主張が違うのは当然のことです。異なる価値観を認め、深く議論をすることで新しい発展を求めていく態度こそ、住民の意見を代表する議会には必要なのです。議員間の議論の結果、ベストではなくともよりベターな見解をまとめ、議会として市長にぶつけることができれば、これは市長がもっとも恐れる、強い住民の意思を代表する議会になります。
 例えば三重県議会は、ほぼ政党単位の会派がありますが、しかし政策討論会議という場で全会派の代表者が議員間で調査・検討・議論を重ねたうえで全会一致で政策提言をまとめ、知事に突きつけるため、県政に大きな影響力を発揮しています。

■地方議会に政党は不要
 個人の感想としては、清瀬市議会の面々は人間的には魅力のある人々が揃っていると思います。しかし議論の場になると政党の主張が前面に押し出されるため個人の顔が見えなくなります。中央政党の対立がそのまま清瀬市議会に持ち込まれ、一般質問などは他党の批判や実績合戦に費やされる場面もあります。政党によって主義主張が違うのは当然ですが、他党への批判の声の大きさに比べ、政党を超えて地域社会により良い政策を協力して作り上げていくしくみがありません。
 政党間の批判合戦を地方議会に持ち込むことはマイナス面のほうが多いと私は思っています。