6月4日を忘れない ~天安門事件~
1989年6月4日未明、北京で人民解放軍は人民に対して銃を向けた。
新中国の歴史のなかで世界がリアルタイムで目撃した、消すことのできない痛ましい出来事である。
たしかに、学生はやりすぎたのかもしれない。
そして事件当初伝えられていたような天安門広場での「虐殺」があったかどうかは疑わしいとされている。
たとえそうだとしても、改革開放による格差の広がりと、特権階級による汚職や不公平に対する不満を、民主化で解決しようとした学生の行動を鄧小平は武力で押さえ込んだ。中国共産党という銃口から生まれた独裁政党の本質は、このときもそして今も変わっているとは思えない。
(事件の様子はこちら)
http://video.google.com/videoplay?docid=1761062858590826090
この事件に関して、私の脳裏には今でも忘れられない光景が焼きついている。
ハンストを続ける学生の前で「私は来るのが遅かった」とハンドマイクで涙ながらに語り事態を収拾しようとした趙紫陽総書記。
そして長安街を行進する戦車の列の前に立ちふさがった男性と、
その彼を轢き殺すことができなかった戦車の兵士の意志。
あまりにも不幸な事件であったが、それでも私はこの3人の人物の行動を受けて、中国人のヒューマニズムを信じてみようと思っている。