運動指導の順序

 

運動指導をしている方はどのようにスポーツを教えたり、

トレーニングを教えていますか?

正しい順序で教えてあげることで、

選手たちのパーフォーマンスが向上できるだろう。

 

【習得が最速になる、トレーニング指導の手順】

①戦術とトレーニングのマッチング性を解説 

②トレーニングの身体の使い方を解説 

③トレーニングで身体の使い方を習得 

④習得したスキルをいかし、ドリルを行う

⑤試合の中で実践し、戦術と適合させる 

 

実際の試合で使いたい戦術を考え、

どのように身体を使う必要があるのか想定してみる。

そして、身体の使い方をしみこませるトレーニングをおこなう。

このように、逆算して練習を行う必要がある。

指導者だけの理解にとどまらず、選手にも戦術・トレーニングともに

なぜ行うのかという理解をしてもらうことが大切だ。

 

この手順をスムーズに行っていくために、

指導者、選手の両方がもつべき5つの能力がある。

 

【指導指針の5つのキーワード】 

1.インテリジェンス =スポーツで必要な知性を磨く (戦術)

2.テクニック =ゲームで必要な実践的技術を習得する 

3.コミュニケーション =共通理解を持つ習慣をつける 

4.メンタリティ =リスクを恐れない心を持つ 

5. フィジカル =戦術を体現できる身体作り


これらの能力をもち、

指導者は正しい手順で指導を行い、

選手が練習していくことで、

効率よく、成果につながるだろう。

 

 

チームの哲学を効率的に体現する神経系トレーニング

 

運動指導している方はチームの哲学というものを持っていますか?

簡単にいうと、「こういうチームにしたい」「こういう戦術を使いたい」等の

チームを作る上での理想や目標があるかということです。

監督自身が持っていないと、それを体現する上で、チームの中に混乱が生まれます。

 

それをもっている監督は、きちんと明確化していますか?

もっていても言葉として定義できないと、意味がありません。

 

チームの哲学を持ち、それを言葉で定義できたとき、

どのようなトレーニングを行うことが

効率よく、哲学を体現できるのであろうか。

 

腕立て伏せやスクワットなどの筋量を増やすような

ウエイトトレーニングでしょうか。

 

このようなトレーニングは

肘や膝の曲げ伸ばしだけを行っているのが分かる。

単純な動作であるため、脳を使ってトレーニングを

行う必要がない。

疲れるのは筋肉だけである。

 

では、神経系のトレーニングはどのように行っていくのでしょうか。

 

神経系トレーニングとは

 

①屈曲・伸展

②内転・外転

③内旋・外旋

④対角螺旋運動

 

これらすべてを組み合わせながら行っている。

 

組み合わせが多く、動作が複雑なため、

脳で覚える必要がある。

それを体現していく。

脳と身体の両方から汗をかくようなトレーニングである。

脳から汗をかかなくなるまで練習できたとき、

身体はその動きを考えずにできるようになる。

 

どちらのトレーニングがチームの哲学を体現できるかは

一目瞭然である。

 

スポーツとは単純な動作の繰り返しではなく、

様々な動きの組合せで成り立っている。

 

スポーツでの複雑な動きを

体現できるようになるためには

神経系トレーニングが必須である。

 

指導者はトレーニングを考える上で

どのような動作が必要か、

どのようにその動作を組み合わせる必要があるのか、

そこまで考える必要がある。

 

 

暴力・暴言のある指導は神経系トレーニングとの相性が悪い

 

世間では暴言や暴力によるスポーツ指導が度々ニュースになります。

なぜなくならないのでしょうか。

なぜ悪いといわれているのでしょうか。

 

まずは、現代の社会が暴言・暴力を完全になくすことができない状況を

作り出しているのはないかと考える。

 

20年前であれば、怒鳴る指導者は今以上にたくさんいたが、

当時の子どもは怒られることがあっても、

自分たちで話している光景がありました。

ということは、脳を働かせていたといえる。

 

それが、現代の子どもたちはとにかくしゃべらない。

自分たちでは考えず、指示に従っているだけである。

考えていたとしても、怒鳴られることに恐怖を感じ、黙っている。

 

若い子たちが会社で隣にいる人間にメールでやり取りするような時代です。

自己表現が乏しく、上司に言われたことは完璧にできるけど、そこから波及しない。

自分から動けない。

そういう現状があります。

 

まず、監督は選手同士で意見を言い合える空間を作る必要がある。

選手たち自身が自己表現をしっかりでき、

チーム内で意見を言い合ったり、

監督に対しても意見を言えるような選手が増えることが大切だ。

 

選手が自分たちで行動を起こせるようになることで、

暴力・暴言は減るのではないでしょうか。

 

では運動的にどうなのかを考えていきます。

 

暴言を吐かれ、選手が何かを言われて動く。

指導者に怒鳴られることで恐怖心が入るので、

恐怖のために物事をやろうとしてしまいます。

または、怒られないために何もせず、自分で考えることをやめてしまいます。

 

先程、神経系のトレーニングでは

脳を使って身体を動かしていくと話しました。

 

怒鳴られることで、思考をやめるということは、

脳を十分に使うことができないということだ。

そうなると、神経系トレーニングの効率が下がり、

パフォーマンスの向上も見込めない。

 

人はリラックスしているときに最高のパフォーマンスが出ます。

逆に委縮したり、不安になると、体が縮こまります。

人を不安やストレスで委縮させると、プレーのスピードは遅くなります。

まず指導者がそういった人間の心理と身体の仕組みをしっかりと理解することが大事です。

 

暴力・暴言により、選手に迷い・不安・恐怖を与えるのではなく、

リラックスしてスポーツができる環境を作ることが

精神的にも身体的にも

パフォーマンス向上が見込めるのである。 

 

 

運動指導における環境の大切さ

 

求められる環境とは、クラブとして、チームとしての在り方を研究し、

整理をし、突き詰めることだ。

選手が安心して、誇りをもって通うことができるアイデンティティを発達させていくことである。

 

そのために指導者は、自身に問いかけてください。

 

・なぜここでプレーしたいのか? 

・なぜここに子どもたちが集うのか?  

・そのためにできることは何なのか?  

・そのために忘れてはいけないことは何なのか? 

 

大切なことは、「慌てない」ということだ。

「結果を焦らない」ということだ。

選手の成長を自分たちが信頼できなくなったらおしまいなのだ。

うまくいかないこともあるし、思っていたよりも成長できない選手だっている。

でも、どんな時も選手への扱いを大切にし、一人一人に心を込めて接する。

その家族的な雰囲気こそが、選手が成長する秘訣である。

 

スポーツの楽しさを掘り下げ、選手たちの喜びを受け止める。

プロクラブになることが、リーグで優勝することが、

チームやクラブが持つべき答えでなければ、正解でもない。

一番大事なのは勝利ではない。 

地域の子どもたちが集う場所であることなんだ。そこを踏み外したらダメなのだ。

 

 

神経系トレーニング3選

 

Twitterのリンクより閲覧できます!

 

ボートオール非対称性トレーニング1

https://twitter.com/labo_karada/status/1070238996461056000

 

ボートオール非対称性トレーニング2

https://twitter.com/labo_karada/status/1070240248402046976

 

ボートオール非対称性トレーニング3

https://twitter.com/labo_karada/status/1070251594862616577

 

ボート競技以外のスポーツにも役立つトレーニングになっています。

トレーニング指導に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

スポーツしていない方で、肩こりの症状をお持ちの方は

ぜひおこなってみてください。肩こり改善にも役立ちます。