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2023年3月23日、松原市で開催された「Switch」を鑑賞しました。この公演は、市が主催する自殺予防月間の一環として毎年異なるテーマで行われています。

 

 

 

オフィシャルページに書かれているあらすじは以下の通り,


進学校として有名な松沢高校の放課後。

とある教室では教員達が、悩んでいる人に気づき声をかけ、話を聞いて、

必要な支援につなげ見守る人=『ゲートキーパー』についての研修を受けていた。

そんな中、一人の教師が呟く。「私たち大人は、いつも子ども達の話を聞けているのだろうか?」と。 

教員達は今まで言えなかったお互いの仕事への想いをぶつけあい始める。

一方、演劇部の部室ではミスして惨敗した大会での反省会が行われていた。

「こんな事、大人には相談出来ない。先生なんて一番信用できない」と生徒同士で互いを責め傷つけあう中、

ついには辞める事を決意する部員まで出てしまう・・・。

同じ学校の2つの密室。大人と子ども。先生と生徒。

親と子。相反する2つが交差し、出会う時に生まれる物語とは?

ステージタイガーがお送りする、優しく、温かく、ちょっと笑えて涙が滲む、

人間の繋がりを考える演劇。


さて、ここには思いつくままに書いた整理されていない感想を記する。

この作品は、教師と生徒、大人と子どもの間に存在するギャップを浮き彫りにするものである。

この演劇は、温かく、時には笑いと涙が交じり合う人間関係を描き、観客に深い共感を呼ぶ。

登場人物が抱える悩みの源について再考する。

例えば、劇中では以下のような状況が描かれている。

  • 演劇部の部長とメンバーの間には、責任感と期待値の違いがある。
  • キャンディとレンレンには、他人に知られてはならないという秘密がある。
  • 古木は学生との関係を諦めてしまった。
  • 生徒会長は演劇部のメンバーとの間に体力差があるかもしれない。もしくは家庭での休息不足が貧血の原因かもしれない。
  • 生徒会長は他の生徒会メンバーが練習に参加しないため、責任を感じている。
  • 生徒会長は家庭内で常に良い子を演じなければならないというプレッシャーを感じている。

これらを振り返ると、「この行為をしたとき、この状況になったとき、周囲からどう見られるだろうか」,

「自分がしなければならない、してはいけないことはXXだ」という勝手な思考によるもので,

多くが無意識のうちに行われるものである.この、無意識であるというのが曲者である.

また、相手のためを思って行動することもあるが、それも自己保身につながることも多いようである。

 

特に部長のように、自分自身が自分を追い込むケースも見られる。

例えば、演劇部の部長は、メンバーの期待値を勝手に想像し、それに負けた自分が周囲から責められるのではないかと心配している。キャンディとレンレンについても、周りからどう見られるかということを勝手に想像して、見られ方について過剰に考えていたり、古木も自分には出来たはずだったという後悔の裏にある期待感があったのかもしれない。生徒会長は周りのメンバが出ないから自分が責任をもって練習に出ないといけない。親を困らせてはならないというのもあったかも。

 

これらの問題に対する解決策としては、話を聞いてあげることが一つの方法であるが、これらの問題を生じさせないための対策も重要である。失敗してはいけない、相手に迷惑をかけるなど、勝手に(時には不健全に)期待値を高めたり、自分に厳しくなることが、問題を複雑にする原因である。

 

まとめると、自分自身が無意識に作り上げたルールに固執していることが、多くの問題を生じさせている。

 

先日読んだ「成瀬は天下をとりにいく」「成瀬は信じた道をいく」という本屋大賞を撮った作品の中で、主人公が他人と異なる行動を取ることで孤立するも、それを問題とは思わず、自らの目標に向かって進んでいく。これは、私たちが「失敗は終わりではない」と捉え、長い目で見るべきだという教訓を含んでいる。

成瀬には200年生きるという目標と、それ以外にもM-1に出る目標と大津西武の閉店まで毎日地元のローカル局の中継に出続けることとという,ちょっとした思いつきで目標を決めて目指して、失敗するのは当然だ、というスタンスで動いて、

要するに周りがどう思うかよりも失敗前提で自分が納得すれば良いという思考と行動に柔軟性があるのか、と、今書きながら思った。

 

これを現実世界で実践するのが難しいとはいえ、経験を通じて他の可能性を見ることができれば、大抵のことはより小さなものとして捉えられるようになるだろう。

そのためには、「ゲートキーパー」として、他の視点を提供することで仮想的な経験を増やし、起きたことの見方を変える手助けをすることも重要である。

 

 

ゲートキーパーというと大袈裟だが、自分も立場的にそういうことができると良いなと思った。