昭和芸人 七人の最期 | 石井智也オフィシャルブログ「石井智也といしいともや」Powered by Ameba

昭和芸人 七人の最期

笹山敬輔著『昭和芸人 七人の最期』読了。

一気読み。

榎本健一、古川ロッパ、横山エンタツ、石田一松、清水金一、柳家金語楼、トニー谷。

七人の偉大な芸人の栄光から最期まで事細かに調べあげ書かれている僕にとって教科書的本でした。

笑いを提供する人間の晩年の内側は悲哀がありました。
人間誰しも老いがきて、それが笑いに影響を及ぼすことを本人は一番感じていて、しかし見る側は様々な見方をして批評をしていると思います。
その時に見られる側の人間の精神というのは表舞台では見られない、誰にも知られたくないであろう苦しみがあったと思います。

時代と共に忘れ去られていくことはしょうがないことなのかも知れませんが、僕は笑いが好きだし笑いを提供したいので、この本で偉大な芸人さんの生きざまと現実に起きた過程を垣間見ることが出来て、ほとんど名前しか知らなかった偉大な芸人さん達を少しでも知るきっかけになって本当に良かったです。

そして唯一お会いしてお話もさせてもらった事がある最後の喜劇人と言われる伊東四朗さんのインタビューが掲載してあり、僕はとても幸福者だと感じました。

偉大な先輩達の生きざまを文章という形で残してくださった本書は、芸能界という場所で生きていこうとする人間への叱咤激励にも感じました。

作者の笹山さんは芸人さんのファンであると共に、人間味溢れる人のファンなのだと思います。
七人の偉大な芸人さんの栄光から最期までの本ですが、本の中で人間味溢れて生きていました。
そして僕の中にこれからも生き続けます。