こんにちは。
ママチャリ行政書士の石井麻里です。
本日も数ある中から当ブログにご訪問いただきありがとうございます。

さて、Aさんが亡くなり、妻のBさん、子供のCさんとDさんが相続することになりました。

Aさんには、自宅の土地建物2000万円と預貯金2000万円がありました。

Aさんは、生前、遺言を残していて、遺言によると、

妻Bさんに自宅不動産と預貯金1000万円、子供のCさんとDさんに自宅土地建物預貯金を500万円ずつ、となっていました。

ですが、
妻Bさん「家いらないから、老人ホーム入りたいわ。家売って老人ホーム入れたら、残りは二人で分けたらいいよ」

子Cさん「それは助かる。うちの子、来年大学入学だし」

子Dさん「うちも高校入学と中学入学が重なるし」

妻Bさん「でも、遺言があるから、やっぱり遺言の通りじゃないと分けられないのかねぇ」

子Cさん「お父さんは、お母さんの老後を心配して残したんだろうけどね」

妻Bさん「私が死んだら、残ったお金はどっちみち二人に行くんだし、私はそんなにいらないけどねぇ」

子Dさん「全員が同意してるんだから、遺言通りじゃないくてもいいんじゃない?」

はい、その通りです。

このケースの場合、遺言で残すとされているのは相続人のみで、その相続人全員が違う分け方がいい、と合意しています。

こういう場合は、遺言とは別の分け方をすることも可能です。

ということで、

妻Bさん「自宅不動産は私がもらうから、預貯金は二人で1000万円ずつ分けなさい」

子Cさん「それがいい」

子Dさん「うん、それがいい」

と決まり、遺産分割協議書を作成して相続手続きを行いました。

そして、妻Bさんは自宅不動産を売却し、高齢者住宅へ引っ越しました。

分け方は違ったものの、おそらく、Aさんの妻Bさんへの思いだけは変わらず遺言として残ったのではないかと思います。


ところで、相続人全員の合意があれば、遺言の指示以外の分け方も可能ではありますが、一つ注意があります。

遺言の中に、相続人以外の人への遺贈が含まれている場合、その遺贈される人とも協議が必要になります。

遺産分割協議書の作成が必要な方は、こちらからお気軽にご相談下さい。