2022年2月24日に開始されたロシアのウクライナ侵攻は、あと少しで2年が経過。

今年の春から夏にはウクライナの反転攻勢への期待があったが、現状は戦線が膠着。

ロシアのプーチン大統領は3月の選挙を控えますます強気になり、ロシアの正当性とウクライナ、ヨーロッパが誤っていることを主張している。

ロシアや国際情勢の専門家ではないが、今の時点で感じていることを書いておく。

インターネット、テレビのニュース、これまで読んだ本などがもとになっているので、誤解や解釈の誤りがあることはご了承ください。

 

現在のヨーロッパのNATO加盟国。

スウェーデンとフィンランドも加盟したので、地図で見る限りロシアとの対決姿勢が明確になっている。

ベラルーシがすぐにNATO側につくとは思えないが、ウクライナとジョージアが加盟してしまうとロシアにとっては重大な脅威だし、ベラルーシもそうなるとどちら側につくかは分からない。

バルト三国と東ヨーロッパの国々もNATO加盟国となって、ロシアには分が悪いように思える。

 

ヨーロッパ人が抱くロシアへの不信感、恐怖心を描いたのがこの風刺画。

近代に入って日露戦争以前の、ロシアの南下政策を風刺している。

ロシアのタコの触手は、ポーランド、トルコ、クリミアを手に入れ、ペルシア(イラン)も時間の問題。

フィンランド、バルト三国、ウクライナはロシアの領土として描かれていない。

ヨーロッパでもアジアでもない不気味な国、ロシアをだれが止めるのか、というのがこの画の主題。

なんとなく英国だけが立ち向かおうとしていように見える。

 

この風刺画にアジアを書き入れたのがこちら。

隣接するヨーロッパの国々を手に入れたロシアは、清朝末期の混乱に乗じて、満州と朝鮮半島に触手を伸ばしている。

このことに危機感を抱いて、ロシアと戦端を開いたのが日露戦争。

帝政ロシアの南進を防ぎたい英国が日本を支援したため、日露戦争は日本が辛勝。

ロシア対ヨーロッパの代理戦争だったのだが、そういう国際情勢を理解せず、勝利に奢った日本は、中国侵略からナチスドイツと連携して米英との開戦に至り、世界51か国と戦争をして敗戦となった。

ロシア(旧ソビエト連邦)は、第二次世界大戦では連合国の一員として戦勝国となるが、戦後の世界構築を巡って米国やヨーロッパとの対立が深刻化、冷戦が開始されるに至って、NATOが設立された。

 

風刺画を見てわかるとおり、ロシアの侵略は常に南に向かっている。

ロシアの北部は北極圏で、大部分が年間をつうじて凍結しているため、北側から侵略を受けることはない。

反対にロシアが北側から外に出ることも不可能で、これまでは不凍港を求めて、南に向けて進出をしていた。

地球温暖化で、北極圏の海が凍結する期間が短くなって、夏の間は砕氷船などを使って航路もできているらしい。

地下資源があっても採掘できず、採掘したものを運びだすこともできなかったが、この状況が変わりつつある。

北極海航路など国際的に有利な点もあるのだが、これから北極圏をどのように管理するのか。

北極圏には、ロシア、米国、カナダ、デンマーク(グリーンランド)、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドが国土を接していて、それぞれが領有権を主張している。

ロシアの進出が南進である限りは、ヨーロッパとアジアの国が当時国であったが、北極圏に向かうとアメリカ大陸の国も当事国となる。

 

ここまで書いてみたが、これからどうなるのか、どうすればよいのかはわからない。

ウクライナが消滅するのは許されないが、そのためにどれだけの人的、経済的な損失に耐えなければならないのか。

もしロシアが思い通りの成果を手に入れてしまえば、次はアジア、そして北極海に向かう可能性もある。

きれいごとではすまないのだろうが、ことなる価値観のある国々が共存できる道を探っていきたい。