飽き性の私としては珍しいことに、
40年愛用してるバックがあります。ルイ.ヴィトンのボストンバックです。ルイ.ヴィトンが日本伝来した年に買った物。当時は全くの無名でしたが、何故か一目惚れしました。
当時の私にとっては高い買い物でしたが、独身でサラリーマンと空手指導の2足のわらじを履いてた気軽でしたので、
思い切って買いました。
20代の私が買った唯一の贅沢品でした。
ポロポロです、何回も修理に出しながら使ってますが、
今でもお気に入りです。
ところがこのバックを買って、持つ為のとても苦労した思い出がありまし。
自分で言うのも何ですが、若い頃から苦労人の私は良く気遣いができる。笑
当然、我が師匠には当時一番人気のあった、renoma という
本革のボストンバックを、自分の物を買う前に先に誕生日プレゼントとしてお渡しいたしました。
当然ですが、師匠にプレゼントしたrenomaのほうが私のルイヴィトンより高価でした。
つまり、
ルイヴィトンを持つには、師匠にはそれよりも高いバックを持っていただく必要があったのです。
つまり、当時無名のルイ・ヴィトンを買い日常使うにも、
そのくらい気遣いを師匠にしてたのです。
「石井!すまないなあ!ありがとう!」
師匠は、renomaのバックを気に入り機嫌良くお使いでした
そろそろ大丈夫だろうと、
3か月過ぎた頃、私も自分のバックを、師匠との空手指導に同行させたのです。
つまり、私のルイ.ヴィトンのボストンが初めて師匠の前に御披露目したのです。
ところが、
感の鋭い!我が師匠、
そのバックを見逃しません!
「石井、そのバック何というの?ルイ.ヴィトン?
ふーん、…、なーんだビニール製かあー、」
その場はそれで収まりまして、良かったのですが、
師匠に負けず劣らず感の良い私は、
師匠の、(ふーん…)が、とても気になっておりました。
果たしてその2か月後、
伊丹空港にお迎えに行った私の前には、
やはり、心配どうり、
私のバックより、グレートの高いルイ.ヴィトンのボストンをもち、スーツケース入れのルイ.ヴィトンを肩からかけた師匠がニコニコしながら、立っておられました。
「石井!石井のよりこれは高いんだよ、お前のは一番安いんだってな。ワッハッハ。」
師匠より安いバックだったのがせめてもの助けでした。
それからの私は退会するまでの2年余り、
私はルイヴィトンのボストンを2つ持って、師匠との空手指導行脚を続けました。
自慢じや、ありませんが、
私と師匠は、
40年も前からルイ.ヴィトンの将来性を
見抜いていたのです。センスいいでしよう?、自慢!
師匠の芦原先生はその後、
私に極真会館芦原道場の
ボストンバックを作って売るように指示され、
門下生達に当時にしてはオシャレな青と茶色のボストンバックを沢山売りました。
当然、
売ってる当事者である、
芦原先生も、私も、
一度もそのバックを持つたことも、使った事も、ありませんでした。
苦笑
今思うと不思議ですが、
師匠は、
私が芦原道場のバックを持たないことも、
同じルイヴィトンのバックを持ってる事も、
一度も注意しませんでした。
多分、
師匠は全てをお見通しだったのかもしれませんね。
長々と、
長文失礼しました。
たまには、
思い出話も、良いもんですね。
だから、
このバックだけは
一生、後生大事に使うと決めてます。