デング熱の感染者が拡大状況にある中、代々木公園、新宿御苑をはじめ、都内の主要な公園の管理体制が、今一度見直されている。ウィルスの大流行は考えにくいとはいえ、感染症の一番の対策は何をおいても「先手必勝」だから、舛添知事もそのあたりを踏まえて入念な対策を心得ている様だ。

さて、猛暑が続いた時期に舛添知事はこんな発言をしていた。
「東京五輪へ向けて、選手や関係者、観客の皆さんの熱中症対策にも目を向けていく必要がある」と。

今や、日本の夏は、屋外活動に不向きな季節となってしまった。その原因は温暖化に始まり、一つには絞れないとはいえ、都市開発の在り方と密接に関わっていることは間違いない。

都市の緑化はそれ自体は素晴らしい事だが、人口的な植樹や河川の工事は、その辺り一帯の土壌に根付くまで数年~数十年かかるという。つまり、その間人間の手により、人間の手を離れるアシストをしてやる必要がある。これが実に難しくて、手を加えすぎても駄目で、手を入れなすぎても駄目で、自然に近い生態系を維持させるには、専門的なケアが必要だと聞く。

オリンピックを起爆剤にこの辺りの分野「自然と共生する都市の緑化と近代的な暮らし」に向けてプロジェクトが進むはずだったのだが・・・・

新国立競技場のデザイン案を見て、がっかりされた方も多いだろう。「後世に残る建築」から、「やがて自然と同化していく建築」へと、世界中が発想を切り替えようとしている時代とは真逆のデザイン案を今後どのように修正していくのだろう。

感染症予防と公園管理の問題も含め、都市の緑化、自然との共生について研究開発を、国交省、環境省、農林水産省、文部科学省などが省庁の垣根を越え、新たな可能性を探して行くべきと考える。