福岡市中間市で、生活護費の不正受給に市職員5人が関与していた疑いで逮捕された。ここ数年、生活保護の不正受給は深刻な社会問題となっている中、直接手続きを行う自治体の職員が不正に加担していたというニュースは大きな波紋を呼んだ。

役所の職員、教員、警察官など、公務員の不正が報じられるたびに思うのことが在る。もちろん、あってはならないことだが、現実には人間だから欲に目が眩むことも在るだろう。しかし、不祥事が起きた時の処遇は、一般企業以上に厳しくなくてはいけない。特に、個人の不正であってもそれを事前に防げなかった幹部が責任を取らない体質はどうかと思う。企業なら部下のミスは上司のミスといのは極自然な感覚だ。

そもそも、就職先に公務員を選ぶ人の理由が「皆さんの役に立つ仕事をしたい」ではなく「景気に左右されない安定した給料が保障されている」という辺りに根本的な原因が在るのは確かだ。まぁ、きれいごとでは済まない理由が悪いとは思わないが、そんな安住の職場たる所以は、皆さんの税金で成り立っていることだけは忘れないでほしい。

そういえば、退職金削減に伴う駆け込み退職が増え、担任教師が残り数ヶ月の年度末を待たずに自分のクラスを離れるという悲しい現象をどこかの知事は嘆いていた。

もう一つついでに書いておこう。親から「将来は公務員になりなさい。安定が一番!」なんて言われて育った子供に最近よく出会う。親なら、そこは嘘でもいいから「公務員は人様の役に立つ立派な仕事だ」と言って欲しいものだ。

生活保護が云々という以前に、「どんな人にも平等に保護される権利」があるのは、同時に「どんな人も、誰かの為に働く義務」があるのだということを、学校も親も教えなくてはいけないだろう。人は労働の対価を得るためだけに働くのではない。ささやかでもいい。自分が社会に貢献しているという誇りこそが、勤労の本当の価値だと思う。