光陰矢の如し、月日は百代の過客ではないが、12月の声を聞くと決まって「えっ、もうそんな時期」と焦るのは皆同じだろう。今年は我が家で、数年ぶりに仕事仲間を多く招いてクリスマスパーティーをやる予定なので、「もてなし奉行」の家人は今頃準備に追われ、ヤキモキしていることだろう。

この季節になると、つくづく日本人て素敵だなぁと思う。キリスト教徒のお祝いに便乗して、年末商戦を盛り上げ、ついでに家族の絆を確認したり、平和を祈ったりするのだから、お人好しというよりは世界に誇るべき特殊な才能ではないかと私は思う。諸外国から見れば、節操がないとか、宗教感が乏しいなどと言われるが、少なくとも異教徒同士が、歪み合うよりは神様も喜んでいるに違いない。

日本ではあまり知られていないが、アメリカではキリスト教徒以外に「メリークリスマス!」というのは失礼にあたり、公的な場面では専ら「ハッピーホリデイ!」が使われているのだが、数年前には「キリスト教徒なら、メリークリスマスという掲載のない店でクリスマスギフトを買うのを辞めよう」という不買運動が起き、これを懸念したウォルマートは、それまでのハッピーホリデーをメリークリスマスに改めたという何とも不可解な現象が起きた。

そんなのどっちでもいいじゃん!というのが、大方の日本人の意見だが、所詮異教徒の我々が当事者の考えを否定するのも失礼な話だ。だとすれば、逆もまた真成りだ。日本人の宗教観を諸外国からつべこべ言われる筋合いは無い。無宗教という宗教、あらゆる他宗教に寛容な日本流の仏教、そんな日本特有の価値観を堂々とアピールすればいいではないか。

日本人は日本人のままで素晴らしい!

12月が来る度に毎年そんなことを考える