「人間の命は地球より重い」

数多くの罪なき人民の尊い命が
いとも簡単にイスラム過激派の手で奪われていることには
激しい憤りをおぼえます。とりわけ
先般、二名の邦人をみすみす死に追いやってしまったことに対して
現政権は真摯に受け止めてほしいと思います。
安倍総理は、この予算委員会の質疑で「あらゆる手段を講じてきた。
対応は適切だった。しかし内容は言えない」との答弁を
くり返すばかりです。
しかし、「政治家は結果責任」、救える命を見殺しにしたという
そしりを受けても仕方がないのではないでしょうか。
一部報道によると、イスラム過激派は
交渉期限の間際、人質交換に備えて、
後藤健二さんをトルコ国境付近まで移動していたといいます。
詳細については語れない、というのが現政権の立場ですが、
本当に「あらゆる手段」は講じられたのか、他に打つ手は
なかったのか、無念さと歯がゆさが残るばかりです。

1977年9月、日本赤軍によるダッカ・ハイジャック事件に
巻き込まれた私は、突然、政府団長に任命され、
156名の人質の救出のため、
ダッカ空港でテロ集団と対決しました。
超法規的措置の発動という苦汁の選択を強いられ、
このことには多少の批判もあるようです。
しかし私は、ずいぶんの時を経た現在でも、あの折の対応は、
人質の中から一人の犠牲者を出さず
156名全員を無事救出でき、正しい選択であったと思っています。

当時の人質となった乗務員、乗客の集まりである
「ダッカ友の会」へは、今でも定期的にお声がけを
いただくのですが、会員のみなさんの笑顔に接するにつけ、
命の尊さ、日本人の優しさ、平和憲法の大切さを実感いたします。
文化の違い、宗教の違い、価値観の違いをこえて
私たちの、そして私たちの子孫の住む地球に
恒久的な平和がもたらされることを願っています。

さて、本日の朝日新聞にダッカ・ハイジャック事件に関する
私のインタビュー記事が掲載されました。
「あらゆる手段」を講じた自負とともに
私が記者に語ったものです。
以下にリンクを貼りますので、
ぜひご一読いただければ幸いです。

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