残された人が憶えている限り人は死んでいくけれども、残された人が憶えている限りそのひとは死なないと思うしかない。だから惜しむんじゃなくて、忘れないっていうことが大事だと思いますね。そして私たち生きている人間は、せめて自分の生き方をきちんと獲得しなければならない。でなければ、運命なんてひらけないでしょう。北方謙三(作家)北方謙三・福島智・著『運命を切りひらくもの』(致知出版社)より