分析学の医療は木を見て森を見ず | 石原結實オフィシャルブログ「Dr.石原の自然療法」

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血液検査やエコー、CTなどでたちどころに臓器の状態が分かるようになるなど、現代医学は確かに目を見張るような進歩を遂げました。しかし、「診断学」が発達する一方で、「治療学」の分野は、大きく立ち遅れています。

「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、現代医学はいまや「木(臓器)を見て森(人体)を見ず」どころか、「細胞を見て人体を見ず」という、まさに人体を分子レベルでしか見ないという究極の分析学へと突っ走っているような感があります。

水(H2O)を調べるのに、H(水素)とO(酸素)の原子を別々に細かく調べても、水については何にも分かりません。同様に、人体を臓器や細胞、遺伝子レベルで捉えようとしても、生きた人間については何にも分からないでしょう。

東洋医学は、「病んでいる人」全体を診て治療するという、分析的な現代医学とは対極の哲学を持っています。行き詰まった現代医学の盲点を正す方法は、日本人の生活や民間医療の中に古くから息づいて来た身近な「東洋の知恵」にあります。

病気になる前の「未病」の段階で先手を打って、病気の真因である生活習慣(食・運動・精神)の誤りを是正することこそが、病気への最良の対策ではないでしょうか。